週刊少年ジャンプを発行する集英社は、「他紙連載経験作家を対象とした説明・相談会」を開催すると発表。あわせて公式XとWEBサイト内で、新人作家の初連載・初掲載の原稿料を公開しています。

 内容を確認すると「モノクロ1ページ1万8700円(税込)以上、カラー1ページ2万8050円(税込)以上」との記載が。この金額について、SNS上では様々な意見が寄せられ、議論が活発化しています。

■ プロからの問い合わせが増加

 説明・相談会は11月23日と12月2日の2回にわけ、要予約で行われます。対面は2日とも行われ、リモートは12月2日のみ。対象は「商業誌(WEB商業誌含む)で連載されたことがある方」。

 今回編集部が大々的にプロ作家向け説明・相談会を開催する理由は、近年プロからの連載・掲載の問い合わせが増えているからとのこと。

週刊少年ジャンプ公式Xより引用

 かつて週刊少年ジャンプでのデビューはハードルが高いものと考えられていました。条件は様々囁かれていましたが、有名なのは「新人賞」の入賞。次が「持ち込みして認められること」。また、「若いうち(10代から20代前半)」が好ましいというのもよく聞かれた話です。

 しかし近年状況は大きくかわり、他誌での連載などを経験した作家が増えています。デビュー時の年齢層も様々。恐らくそうした影響があって、問い合わせが増えているのでしょう。

 なお、大手漫画雑誌の一部が採用している「専属契約」および「専属契約金」についても原稿料の説明にあわせて言及されています。金額こそ明かされてはいないものの、連載開始時の1年間の専属契約は「任意」。過去に結ばずに連載した作家もいるそうです。専属契約を結ぶ場合は、毎年「専属契約金」が支払われるとのこと。

 さらに他誌での原稿料が、週刊少年ジャンプの新人原稿料以上の場合には「編集部と相談の上決定となります」と、応相談であることも説明されています。

■ 「モノクロ1ページ1万8700円(税込)以上」は妥当?同業者からは肯定的な意見

 そして今回注目を集めているのは、新人漫画家の原稿料「モノクロ1ページ1万8700円(税込)以上、カラー1ページ2万8050円(税込)以上」という条件は果たして妥当なのか?と言う点。

 公式Xの投稿へのリプライを見てみると「ジャンプはやはりすごかった」「これ実はすごいこと言ってない?」と、特に同業の漫画家から肯定的な意見が多く寄せられています。

 仮に週刊連載を持ち、モノクロ原稿を毎週19ページ仕上げるとすれば、1か月4週換算で142万1200円が得られる計算。加えて、専属契約を結べば毎年更新の際に「専属契約金」が支払われ、単行本になれば別途印税が入ってくることになるでしょう。

 一方で「求められる才能を考えればこれでも安い印象」「多忙を極めるのでもっともらってもいい」「アシスタント代もあるからコミックが売れなきゃ夢がない」などの意見も投稿されています。

■ 「金額がオープンになるのは有意義」 業界全体の更なる活性化に期待

 しかしながら、こうした原稿料の公表は、小規模雑誌やWEB雑誌では例があるものの、大手の場合はまず見かけない事例。限られた人材しか属せないクローズドな環境ゆえ、「金額がオープンになるのは、業界全体にとって良いこと」という、中立的なコメントも多く寄せられています。

 漫画は日本が世界に誇れる文化のひとつ。これから先開花するであろう可能性の芽を絶やさないためにも、今回の集英社の試みにより業界がより活性化していくことが期待されます。

<参考・引用>
少年ジャンプ編集部公式Xアカウント(@jump_henshubu

※掲載画像は少年ジャンプ編集部公式Xアカウントのスクリーンショットです。

(山口弘剛)