ガンプラブランドのひとつである「ベストメカコレクション」、いわゆる「旧キット」。すでに絶版になっているものも含め、全58種類がラインナップされていますが、これをすべてコンプリートした、という強者が現れました。

 「トニーマルメイダ」さんがSNSに投稿した写真には、思わず懐かしさを感じるプラモデルのパッケージがズラリ!そしてよーく見てみると、「ゴッドマーズ」や「ライディーン」等、ガンダム以外の作品もちらほら。し……知らなかった……。

■ 行きつけの模型店で「ギャピオン」に一目惚れ

 ガンプラモデラーでありながら、コレクターとしても活動しているトニーマルメイダさん。ベストメカコレクションは20年ほど前から少しずつ収集をしており、その中でガンダムシリーズだけでは数が合わないことに気付きます。

 調べるうちにガンダム以外のキットも発売されていることを知り、7、8年ほど前からぼちぼちと収集を開始。残り15個ほどのキットを本気で集めるようになったのは、2022年のある出来事がきっかけでした。

 それは、いつもお世話になっているという模型店「エイトフォールド」にて、委託品のベストメカコレクション「ギャピオン」(宇宙刑事ギャバン)をたまたま発見し、これに一目惚れしたこと。

ベストメカコレクション「ギャビオン」

 プレミアム価格でかなり高価だったそうですが、意を決して購入。その際に店主から「コンプリートのハードルはかなり高い」と聞いたことも、逆にコレクター魂に火を付けられる結果となったようです。

■ 収集のため他府県にも足を運ぶ 詐欺に遭いかけたことも

 それからというもの、中古ショップやリサイクルショップを放浪し、少しの噂でも他府県に足を運ぶ、という毎日。時にはフリマサイトやネットオークションも駆使し、地道にその数を増やしていきます。途中、詐欺に遭いかけるなどのトラブルも。

 それでもSNSを通じて知り合った方からの情報提供や、同じモデラーからの励ましの甲斐もあり、2023年7月24日をもって、その活動にひとまず終止符。全てのパッケージを写した写真をツイッターに投稿すると、多くの祝福の声が寄せられました。

まさに壮観

■ お気に入りは少年時代の思い出が詰まった「旧ザク」 

 昔ながらの絵画のような箱絵も魅力と語るベストメカコレクションの中で、特に思い入れが深いキットとして紹介してくれたのは、1981年10月に発売された「No.32 旧型ザク」。

旧ザクのパッケージ

 小学生時代に親戚の家に遊びに行った際、必ず行っていたプラモデル屋さんで買って作ったのを、大人になった現在もはっきり覚えているとのこと。当時のそんなワクワクの気持ちこそ、今のトニーマルメイダさんの活動の原点となっているのでしょう。

■ 目標達成に「正直ホッとしてます」 しかし尽きないコレクター魂

 この度のコンプリートについて「正直ホッとしてます」と、長きにわたる収集活動が一旦の完結を迎えたことに、安堵した様子のトニーマルメイダさん。

 あわせて「このコンプリートが達成出来たのはほんと仲間の存在ですね。この方々の助けが無ければ当然出来なかったことだと思っています」と、協力をしてくれた方々への感謝の言葉を綴りました。

 晴れて目標達成となりましたが、実はトニーマルメイダさんにはもう少しだけ心残りに感じていることが。

 それはいわゆる「バージョン違い」の収集で、No.56まで存在しているというバンダイのロゴが旧タイプ(バンザイマーク)になっているものや、商標関係で表記が変更となってしまった「No.30 エルメス」(現在はララァ・スン専用モビルアーマーと表記)、一時韓国で製造されていた「No.04 ガンダム」(パッケージや説明書が異なる)といった、特に珍しいキットは今も未入手の状態。

バンザイマーク

 今後はこれらを追いながら、MSVやゼータの旧キット、さらには宇宙戦艦ヤマトのメカコレクションもコンプリートしたい……と、大いなる野望を語ったトニーマルメイダさん。その飽くなきコレクター魂は、まだまだ尽きることはなさそうです。

<記事化協力>
トニーマルメイダさん(@Pmeny60jgKSdKXF

(山口弘剛)