エヴァンゲリオンの聖地といえば「箱根」。スタジオジブリの「耳をすませば」の聖地といえば「聖蹟桜ヶ丘」と、アニメの作品内に登場した施設や場所が「聖地化」することはよくあります。他にも、作者にゆかりの場所やコラボした土地、また名前が似ている場所までと「聖地化」するケースは多岐にわたります。

 そんな中、あの人気キャラクター「ちいかわ」の聖地?とも言えるような場所が、なんと静岡県にあるとネット上でウワサに。静岡県に住む筆者としては「これは行かなければならない」という使命感に駆られ、行ってまいりました。

■ ちいかわとは?

 「ちいかわ」とはそもそも、漫画家・ナガノ氏による漫画作品「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」の主人公の名前であり、作品の通称。

 Twitter発の漫画として連載スタートし、2022年にはアニメ化もされるなど、もはや紹介するまでもなく、令和5年現在大人気のキャラクター。最近ではコンビニやスーパーをはじめ、ありとあらゆる場所に「ちいかわ」グッズが溢れております。

 ちなみに作品内で「ちいかわ」は1匹だけであり、それ以外は「ハチワレ」「うさぎ」「くりまんじゅう」などのキャラクターがいます。そして見た目は一見「猫」のように見えますが、実はその正体は明らかになっていない「謎の生物」です。そのへんのミステリアス性も相まって人気作品となっております。

ちいかわ「ハチワレ」

■ ちいかわが「静岡県」にある?行ってきた

 では本題に入りまして、なんと静岡県に「ちいかわ」と呼ばれる「川」があるらしいのです。そんなバカな、静岡県に住む筆者もそんな川は聞いたことがない。しかしそれが事実であるならば、今後大きな話題となり「聖地化」するかもしれない。

 ということでその川を確かめに行きました。ちなみに「GoogleMAP」で「ちいかわ」のある場所の名前を調べたところ、「ちいかわ」という川は存在せず、別の川の名前の記載となっていました。

 GoogleMAPでは名前がないのに、実際は「ちいかわ」とされているのか?色々と不安ではありますが、とりいそぎ現地へ向かいました。

 到着してみると……現場周辺は「ちいかわ」にふさわしい、のどかな場所。こりゃぁ「草むしり」が捗りますわぁ。

ちいかわ周辺ののどかな様子

■ 正確には「小川」と書いて「ちいがわ」

 SNSの情報によると、この周辺の川の名前が「ちいかわ」で立て看板もあるということですが……

 「ありました!」でも漢字表記で「小川」。おがわ!?……しかしその下のローマ字表記を見ると「Chii River」、つまり「ちいかわ」。

ちいがわのプレート

 ただし、正式名称としては「ちいかわ」ではなく「ちいがわ」と濁点が入るようで、周辺にある橋の名前は「ちいがわばし」とされておりました。

ちいがわ橋のプレート

 そしてその「ちいがわばし」が掛かる川には、なんと川なのに水が流れていないという不思議な川であることも判明。

 とはいえ、全くの無意味ではないはずなので、たとえば豪雨などで山から大量の水が流れてくる場合、この「ちいがわ」が災害防止のため、うまく水を流しコントロールしてくれるのではないかと推測されます。

ちいがわの横にある「ちいがわ」

 「ちいがわ」は、横にある西大谷川(にしおおやがわ)と合流する地点で終了する、二級河川とされております。この西大谷川にも水は流れていませんでした。見た目は本当に川なのに、近づくと特に水はなく、草ボウボウ。本当にこの光景はシュール。

ちいがわと呼ばれる川

■ 聖地になるかな?

 橋に設置された標識を見てみると「ちいがわ」の名前は「二級河川西大谷支川小川」とされており、なにやら長ったらしい名前。

 しかし、周辺地域の「のどかさ・ユルさ」、そして水が流れていないという「ミステリアス性」からして、もう「ちいかわ」という愛称で呼んでほしい。いや、むしろそのように呼ばれているだろう、と期待をしたいところ。

 この「ちいがわ」が「ちいかわ」の聖地にまでなるかは定かではありませんが、少なくともSNSに投稿する際の「ネタ」としては人気になりそうな予感がします。

ちいがわ橋の詳細

<参考>
ちいかわ
しずおか河川ナビゲーション

(たまちゃん)