光熱費や原材料費の高騰により、経営難に陥っている大阪のたこ焼き屋で起きたクリスマスの奇跡。

 SNSにこの出来事を投稿したのは、大阪にある「大阪 たこ焼たこば」オーナーの島田良太さん。クリスマスに店を訪れた客の一人が、一度に7万6000円分のたこ焼きチケットを購入。それを子どもたちのためにと、寄付していったそうです。まさにリアル・サンタの登場。

■ SNSで経営難を告白「もう一度だけやり直すチャンスを下さい」

 店のオーナーである島田さんが、「赤字経営が続き貯金も無くなり借入れも返せない状態」とSNSで告白したのは11月7日。

「大阪 たこ焼たこば」の看板

 経営難に陥った理由は、光熱費や原材料費の高騰のほか、夏から続いた異常な暑さの影響により客足が減ってしまったことも理由にあるそうです。経営を続けるには最低でも、1日5万円の売り上げが必要。しかし、13時間営業しても来店者数が0人の日も度々あったとのこと。

焼いているようす

 一時は「自己破産も考えた」という島田さん。しかし、お客さんからの「美味しい」「頑張って下さい」の声に励まされ、気持ちを奮い立たせます。苦境に直面していることを素直にうちあけ、「もう一度だけやり直すチャンスを下さい」と呼びかけました。

 そこで経営を立て直すために打ち出した施策の一つが「たこ焼きチケット」の販売。

「たこ焼きチケット」

 これは10個入り760円のたこ焼きと交換できるチケットが1セット12枚入っている商品。価格は7600円で、「岩下の新生姜たこ焼き8個入り」(760円)でも使用可能となっています。

「大阪 たこ焼たこば」のたこ焼き

■ 常連客からサプライズプレゼント!

 クリスマス当日の12月25日、7万6000円分のたこ焼きチケット(120枚)を購入したのは常連客の一人だったといいます。このサプライズに島田さんもビックリ。

 さらに驚いたのは、購入した「たこ焼きチケット」をすべて子どもたちに寄付したこと。常連客の方は「子どもたちがたこ焼きを買いに来たら、これを使っておごったって」と、島田さんに「たこ焼きチケット」を預けたそうです。

画像提供:「大阪 たこ焼たこば」公式X(@ takoyakitakoba)

 島田さんは購入してもらった120枚の「たこ焼きチケット」を使用して、近いうちに「子供食堂」の開催など、何かしら子どもたちに還元できる企画の発表を必ずすると約束。そして編集部の取材の中でも改めて、「有難いしかございません。心から深く感謝申し上げます」と感謝の気持ちを語っています。

■ 二つ目の施策では意外な反響が

 実は今回、経営難打開のために島田さんが行った施策は、「たこ焼きチケット」の販売だけではありませんでした。

 期間限定人気メニュー「牡蠣バター」の発売。過去に発売して好評だった商品をパワーアップして新登場させました。

新メニュー「牡蠣バター」

 牡蠣は国産にこだわり、その他の材料も厳選。材料のメインが「牡蠣」ということもあり、期間限定メニューとなっていますが、その味わいは11月の先行発売以降、瞬く間に話題となり、店の看板メニューの一つとなっています。

 この人気メニューの発売では、意外な出来事もありました。ウワサを聞きつけた全国のたこ焼き屋から、「牡蠣バターたこ焼き真似していいですか?」という問い合わせが来ているそうです。

 猛暑の影響、そして光熱費や原材料費により経営が苦しいたこ焼き屋は、たこ焼たこばだけではありませんでした。それを前から知っていた島田さんは、他のお店にもっと気軽に作って貰えるようメニューを解放。

 SNSを通じて「経営が厳しいたこ焼き屋さんが多いと思います。どうぞご自由にメニューにして下さい。一人でもお客様が来たら幸いです。大変な時期ですがお互いに頑張りましょう」と、メッセージを送っています。

<記事化協力>
大阪 たこ焼たこば(大阪府大阪市東淀川区大隅1-1-19/金曜日定休日)
写真提供・向山純平

(佐藤圭亮)