アニメ作品における「作画崩壊」。描かれたキャラクターのバランスが悪い場合や、雑に描かれているものなどを指します。

 実のところ失敗ではない場合もあるのですが、「作画崩壊」と呼ばれるカットは、それはそれでファンから根強く愛されており、後に長く語り継がれる「伝説の作画」になることも。

 そんな場面を敢えてそのままに立体化した作品が、ツイッターで注目を集めています。

 投稿された動画に映っているのは、アニメ「機動戦士ガンダム」において、Gスカイイージーに乗るガンダムがビームサーベルを構える例のシーンを再現したもの。あの太ましいプロポーションが完全再現されています。す……すげぇ!

 制作者は、ガンプラの旧キットをこよなく愛する谷口和久さん。

 実はガンダムにおける作画崩壊を再現した作品は過去にも制作したことがあり、本作が三度目。のっぺりとしたハモン部隊のザクや、かの有名なドアンザクに続いて、オデッサでの戦闘時のガンダムを再現してみることにしたのだそう。

ドアンザクを再現した作品

 ガンダムの頭部や手など、作品には一部旧キットを流用していますが、そのほとんどがプラ板を切り貼りして作ったもの。また、ガンダムが乗っているGスカイイージーは、全てプラ板のみのフルスクラッチという力作です。

肩回りや足に拘っています

 制作はやはり一筋縄ではいかなかったようで、あの体型を再現することに試行錯誤している様子がツイッターでも見て取れます。しかしそんな中でも、時間を掛けて出来る限り忠実に拘り、特にガンダムの足や丸い背中の造形には力が入ったようです。

俯瞰するとこのように

 制作期間およそ3か月を経て完成した作品は、まさにあの作画と瓜二つ。このシーンで象徴的なガンダムの口元のひげが上を向いている点など、細部に至るまで余念がありません。

 「下手なりにも最後までやり切った達成感と皆様への感謝と、この作画を担当された方へのリスペクトでいっぱいです」と、制作の感想を満足そうに語った谷口さん。

 たしかにこの作画がなければ今作は誕生しなかったわけですから、そう考えると、作画崩壊もアニメにおける愛すべき要素……と言えるのかもしれませんね。

<記事化協力>
谷口和久さん(@D8MxC6nJHkqaSQZ)

(山口弘剛)