用途の無くなった廃材を利用して作られる木工アート。手彫りの像から、アクセサリーなど作られていますが、「俺が作るとこうなる」と前置きしつつ紹介された作品がネット上で大きな反響を呼んでいます。

 「#俺が作るとこうなる 捨てる廃材から、変形可能ヴァルキリーに!(原文ママ)」

 「児童発達支援センターにて、幼児を中心に様々な障がいを抱えている子供たちを支援している仕事をしています」という木工平八さんが、この日自身のTwitterに投稿した4枚の写真。

 1枚目は素材となった廃材の写真。2枚目から4枚目はそれを用いて作られた作品のようすが紹介されています。

 作品写真の1枚目は、戦闘機のようなフォルムをした姿。

 そしてお次は、先述の戦闘機から腕部と脚部がニョッキリ生え、さらにその先端には、砲弾のような武装フォルム。ん?この形態、既視感があるぞ……?

 この時点で、木工平八さんの作品の“正体”を察した筆者ですが、最後に写されていたのは、それまでの戦闘機の面影はどこへやら。人型ロボット形態に変形しました。どうやら木工平八さんは、「3段階変形」が可能な「可変木工ロボット」を製作したようです。

 木工平八さんが今回投稿した作品というのは、アニメ「超時空要塞マクロス」(1982年から1983年放送)で、主人公の「一条輝」たちが使用した架空兵器「VF-1バルキリー」。

 実は木工平八さんは、障がい者支援の仕事の中で、子ども用の家具や机を趣味も兼ねて作っている方。

 「その際に廃材が大量に残っていくので、その使い道で『ミリタリー』や『SF』にいたるまで、様々な『ミニサイズ』の作品を作っているんです」とのこと。同時に今回のバルキリーを始めとした様々な機体も作られています。

 今回Twitter上で1万を超える反響が寄せられた「バルキリー」ですが、木工平八さんの「創作活動」の中では最初期に作られたものだそう。

 「元々『技術的に複雑な変形機構を再現できるのか?』という興味本位で作ってみたものなんですよ」と、その製作背景を語る木工平八さんですが、おっしゃる通りバルキリーというのは、戦闘機形態の「ファイター」とロボット形態の「バトロイド」に加え、その中間形態ともいえる「ガウォーク」もあわさった「3段階変形」が最大の特徴。

 木工平八さんも製作するにあたり、この「3段階変形」にもっとも骨を折ったとのことで、プラモデルやおもちゃの画像や作り方を参考にして、そのギミックを再現することに。

 ただし木工平八さんの作る作品は、いずれも「ミニサイズ」。特に可動部分の支柱などはかなり大変な作業になり、試行錯誤が重ねられています。

 「最終的には、支柱部分に極細のピアノ線を使い、さらに変形後に、可動部分が“カタカタ”と動いてしまわないように、強い磁力を持つ『ネオジム磁石』を細かく割って、各パーツに埋め込みました」「といっても、最低限整っている程度ですし、今見るとかなり拙い作りと感じているんですけどね(笑)」と、謙遜交えて工夫した点を教えてくれました。

 そんな木工平八さんは、今ではすっかり廃材アートが「ライフワーク」。自身のTwitterでは様々な作品を公開しています。

 最新作である「機動戦士ガンダムサンダーボルト」にて、ジオン軍側が使用するMS「ドム・レゾナンス」や、先述した戦車・戦艦・戦闘機といった様々なミリタリー兵器、また筆者も個人的に好きな作品である「戦闘メカザブングル」において、主人公の“ドマンジュウ”こと、ジロン・アモスが後半搭乗するウォーカーマシン「ウォーカーギャリア」、さらには往年の名作「スターウォーズ」において、帝国軍や共和国軍が使用する様々なメカなど多種多様。

 いずれもバルキリーに負けず劣らずの大傑作。一連の巧な「工芸品」たちには、ゼントラーディ人でなくても「ヤックデカルチャー……」とため息が出てしまいそう。

 直近の自己紹介ツイートでは、「廃材から木の板を切り出し、それを箱組することで色々作っている木工戦士」と自らを称する木工平八さん。今後の活躍に注目せずにはいられませんね。

<記事化協力>
木工平八さん(@MHeihati)

(向山純平)