平成仮面ライダーシリーズ第20作記念にして、平成最後の作品となった「仮面ライダージオウ」。その劇場版が令和となった2019年7月26日から公開されます。5月22日、東京都内で製作発表会見が行われ、田崎竜太監督とTVシリーズのメインキャスト、そして主題歌を担当するだけでなく、物語の鍵を握る謎の集団「クォーツァー」として出演するDA PUMPの皆さんが登壇し、映画について語りました。

 平成仮面ライダー第20作というだけでなく、平成最後の作品となった「仮面ライダージオウ」。劇場版は令和初の仮面ライダー映画となります。本作でプロデューサーを務める白倉伸一郎さんによると、1年間続いてきた物語の「本当の最終回」となる作品だといいます。


 前回の映画「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」では、“仮面ライダーは虚構であったとしても、自分たちの記憶の中に在る限り生き続ける”というテーマのもとに作られた作品でしたが、今作は平成の時代が終わり“過去形になってしまった平成仮面ライダーが、いかにもう一度自分たちで「現在進行形である自分たち」を取り戻すか”というのがテーマ。レジェンドライダーたちが時を超え戦うという、「時間もの」である仮面ライダージオウの世界。テレビシリーズでは描ききれなかった、時空を超えて大冒険するという部分を劇場版では存分に描いていくということです。

 まず記者会見に現れたのは、田崎監督と主人公の常磐ソウゴ(仮面ライダージオウ)を演じる奥野壮さんら、テレビシリーズでレギュラーを務めるキャストの皆さん。田崎監督は「“平成仮面ライダー”という言葉がありますが、なぜ仮面ライダーだけ“平成”という言葉とカップリングされるのか。……もし時代と仮面ライダーとを合わせて考えていただけるのだとしたら、仮面ライダーはどうやって平成を総括したらいいのか。そんなことを考えながら撮った作品です」と、作品に込めた思いを語りました。

 奥野さんは本作の脚本を読んだ時に「観客の皆さんが『こんなことが起こるのか!』と驚かれるような、そんな見どころがたくさんある映画だと思った」とのこと。

 押田岳さん(明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツ)は「前作は『ビルド』の先輩方に助けられて、いい作品になったと思いますが、今回は『ジオウ』として、自分たちで作品を作っていかなければならないんだな、とプレッシャーを感じましたし、同時にワクワクしながら撮影に臨んでいたので、見てくださった後に『いい映画だったな』と言っていただければいいなと思っています」と、前作とは違う「ジオウ」単独の作品として臨んだ気持ちを語ってくれました。

 紅一点の大幡しえりさん(ツクヨミ)は「前回は『ビルド』の先輩方と一緒でしたが、今度は自分たちだけで作り上げる映画だった」と、前回とは違う意気込みで撮影に臨んだと述べました。

 渡邊圭祐さん(ウォズ/仮面ライダーウォズ)は「テレビ版とはまた違う最終回ということで、僕らもすごく『どう終わるのかな』って……。僕らが全然聞いていない未来のことが物語として展開していくので『あ、この終わり方があるんだ』すごいサプライズがまだまだ隠されていて、衝撃の展開が続いて、心から湧きたてられるような物語になっていますので、ぜひ楽しみにしていてください」と、テレビシリーズ以上の展開が待っていることを明かしてくれました。

 そして今作で、ソウゴたちの前に立ちはだかる“歴史の管理者”を名乗る謎の集団「クォーツァー」を演じるのは、主題歌も担当するDA PUMPのみなさん。特にISSAさんはジオウらに対する“仮面ライダーバールクス”に変身するという役どころです。日ごろから仮面ライダーファンを公言するISSAさんは、念願かなって仮面ライダーを演じることになり「小さい頃からいつか(昭和時代の仮面ライダーの設定である)改造人間になりたいと思って生きてきたので、(出演が)決まって涙が出ました」と、感無量だったと語ってくれました。撮影の前日は眠れなかったといいます。

 DA PUMPの皆さんが演じるクォーツァーという謎の集団について、TOMOさんは「ボスにISSAくん、取り巻きがウチらというピッタリの役どころ」と笑わせてくれました。U-YEAHさんが「台本をいただいた時、いつダンスのシーンがあるのかなと思いましたけど、なかったので(笑)。ダンスしてないと『この人たち誰?』ってことにならないかと」と語る中、DAICHIさんは「DA PUMPで培った演技力を……」と言って、ISSAさんから「いつ培ったんだよ!」と突っ込まれる一幕も。

 ボーカル&ダンスグループのDA PUMPの皆さんをゲストに迎えた今作。ソウゴ役の奥野さんはクラシックバレエ、そしてゲイツ役の押田さんはストリートダンスの基礎があり、踊れるキャストが揃った点について、田崎監督は「ダンスを踊るシーンがあったら、ものすごいことになったろうなと思いつつ、皆さんにダンスを封印していただいたと。ダンスを楽しみにしていた方は、リュウソウジャーの『ケボーンダンス』の方で(笑)」と笑わせつつも「やはり、体を動かすということに真剣に取り組まれてきた方というのは、そこで培われてきたリズム感とか、観客の目がどこを向いているか、というような感覚が養われているので、お芝居するうえでの武器になっていると思います。DA PUMPのみなさんは、自分たちの演技が大丈夫だったか心配されていましたが、見ごたえのある演技をされていたと思います」と語っています。

 本作で初登場となる仮面ライダーは、ISSAさんが変身する仮面ライダーバールクスだけでなく、仮面ライダーゾンジス、仮面ライダーザモナスという存在が公開され、ジオウらと対決すると発表されました。ゾンジ、ザモナスとも、誰が変身するのか、そしてこの仮面ライダーたちはどのような能力を持っているのか、楽しみですね。

 最後に奥野さんは「僕たちキャストを含め、スタッフさんも全力で撮影に臨んだ映画です。渾身の作品となっていますので、ぜひ劇場に足を運んでください」と会見を締めくくりました。「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quatzer」は「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」とともに、2019年7月26日より劇場公開されます。

取材協力:東映株式会社

(取材:咲村珠樹)