ジブリ映画「千と千尋の神隠し」作中において、貴重な食べ物として描かれている「イモリの黒焼き」。リンや蛙人といったキャラクターがこぞって欲しがっていたシーンが印象に残っている方も多いと思います。

 これをジブリファンの「森野どんぐり」さんがクッキーで再現。しかも、クッキー型を3Dプリンターで作って、手軽に量産可能にしたという、まさに「千と千尋」の世界では夢のような装置。投稿にそえられた「これで油屋を買収します」のつぶやき通りになるかもしれません……!

 日ごろから、ジブリ映画劇中に登場するアイテムを作ったり、イラストを描いたりといったファンアート作品を制作している森野さん。

 実は過去にもイモリの黒焼きクッキーを作ったことがあったそうです。そのときは、成形に時間がかかりすぎて形が崩れるなど苦労の連続。そこで、型を作って時間短縮するというアイデアを思い付きました。

 クッキー型は、食品に直接触れるものであることから、植物由来のプラスチックを使用。これにより、ひとつ成形するのに5分かかっていたものが、なんと10秒に短縮されました。

量産化も簡単に行えます

 型を使用して焼きあがったクッキーは、手足を広げたイモリの形が再現され、作中同様に尻尾を持つことも可能。作中のキャラクターになりきって食べてみる、といった楽しみ方も出来そうですね。

作中同様に尻尾を持つことも可能です

 ツイッターへのコメントには、もっと見た目を黒くするために「竹炭パウダー」や「ブラックココア」を薦める声もありましたが、「ジブリ飯の一番の魅力はやはり美味しそうに見えるところなので、まずはクッキーとして美味しそうに見えることを優先しています」と、森野さん。

 あくまでおいしく食べられることが前提で、忠実な再現は目指していないのだそうです。たしかに、これも作品に対するリスペクトのひとつの形。ファンアートに対する強いこだわりを感じます。

 ちなみに、真偽は定かではありませんが、作中におけるイモリの黒焼きは「精力剤」「惚れ薬」として扱われている、という説があります。イモリの黒焼きクッキーにはもちろんこうした効果はないでしょうが、食べればお腹いっぱいになって、元気になれることは間違いないでしょう。

<記事化協力>
森野どんぐり ジブリ好きさん(@morino000)

(山口弘剛)