これは新しいアート誕生の予感……?模型を製作する方にはおなじみの、黄色のマスキングテープをデザインナイフでカットし、「シャア・アズナブル」の肖像を表現したのはツイッターユーザー・ヘルニアンさん。

 テープと下地(カッティングマット)の色のみで表現された作品は、明暗のはっきりとした切り絵のよう。シンプルな作りでありながら、シャアのミステリアスな雰囲気が伝わってきます。

 ヘルニアンさんに話をうかがうと、実はアート作品を作ろうとしたわけではなく、模型作品の背景に用いるために、雑誌の表紙を参考にしながら切り抜いたものとのこと。ジオンのカリスマであるシャアが、ステンシルで描かれている……そんな作品を作りたいと考えているのだそう。

 言われてみれば、なるほど!と合点がいきますが、それにしてもこの出来栄え。マスキングテープとカッティングマットという模型製作者にとってはお馴染みの材料のみで表現されているからか、なんだかある種のストリートアートのような、身近さの中に凄みを感じる「作品」に仕上がっています。

 それは多くのガンダムファンらにとっても同じだったようで、ツイッターへの投稿には「新感覚アートですね」「こりゃすごい芸術!」と、感嘆の声が相次いで寄せられています。

 現段階での出来栄えについては「意外と上手くいった」とヘルニアンさん自身も納得しているようですが、前述の通りこれはあくまで作品の背景に用いるためのマスキング。つまり、これからの塗装こそが本番です。

 完成した作品は模型コンテストに出展する予定とのこと。シャアの手前に置かれるであろうMSはザクなのか、ジオングなのか、それとも別のMSか……。完成したジオラマの出来栄えも気になってしまいますね。

 また、元々はアムロも作ろうと考えていた、という制作秘話も。瞳の表現が難しく、今回は断念したそうですが「フル・フロンタルなど仮面のキャラクターはいいかもしれませんね」と展望を語ったヘルニアンさん。その時はまた、思わず息を飲む出来栄えのマスキングアートが見られるかもしれません。

<記事化協力>
ヘルニアンさん(@siro_kuro_siro_)

(山口弘剛)