世界中に多くのファンを持つレゴブロック。通常はおもちゃ店などで販売されているキットを使用し組み立てて遊ぶものですが、実はブロックはバラで購入することが出来ます。様々なパーツから生み出される作品の発想は無限大で、過去にもさまざまなレゴ作品がSNSや展示会などで披露されてきました。

 そんなレゴブロックで機動戦士ガンダムシリーズに登場するデンドロビウムを1/100スケールで制作したレゴ作品がツイッターに投稿され、大きな注目を集めています。

 デンドロビウムと言えばモビルスーツユニットとモビルアーマー状のアームドベースからなる超大型機体として知られており、ガンプラでも1/144サイズまでしか販売されておりません。1/100サイズとなるとその全長はおおよそ140㎝。とんでもない大きさです。

巨大スケールのデンドロビウム

 制作を行ったのはYOGO(@yg45yg)さん。話をうかがうと、デンドロビウムをレゴで作ったのは今回が二度目とのこと。前回が簡易版にアレンジしたものであったことが心の中で引っかかっており、自身の技術の向上に伴って今回は完全な形での再現にチャレンジ。前回の経験を活かし、約4か月という短期間で完成することが出来たそうです。

背後から見ても美しい

 YOGOさんが特にこだわったと話すのはフォルムの再現。デンドロビウムは、一見すると箱を組み合わせただけの単純なデザインに見えるのですが、実際は各部位の接続角度が絶妙で、それによって羽ばたく鳥のような伸びやかな美しいフォルムを形成しています。ツイートには背面からの写真も添付されていますが、これは確かにカッコいい……!兵器らしい力強さと建造物としての美しさが見事に融合、再現されています。

動く、光るといったギミックも搭載

 さらに内部にはレゴ純正のモーター、LEDが仕込まれており、アームが可動したり、スラスターが発光したり、多数のギミックが盛り込まれていることもこの作品のすごいところ。

 制作の中で特に難しかったと話すのは、実は強度の面。素材には当然プラではなく、レゴブロックを使っているのですが、パーツを足すほどに重みが増し、最終的な重量はなんと12㎏!デンドロビウムは宇宙空間用の兵器としてデザインされているので、地球の重力下でこのデザインをレゴ化するのが非常に難しく、制作中には一度崩壊したことも。何度もやり直して完成に至った、YOGOさんの技術の集大成と言えそうです。その制作過程はツイート内にて紹介されています。

 YOGOさんにとってのレゴ作りの魅力をたずねると「一番はプラモデルと違ってゴミや臭いが出ないのでダイニングや寝室でも製作できることです」と意外にも現実的な回答が。他にも「子どもが大きくなって遊ばなくなった分も、自分がパーツとして使えば無駄にならないのもメリット」「パーツの精度が非常に高く創作素材としても優れている」と話し、飾らない一面を見せてくれました。高校で模型研究同好会の顧問をしているYOGOさんですが、レゴは100%趣味とのこと。いつまでも長く楽しめることが、一番の理由なのかもしれませんね。

<記事化協力>
YOGOさん(@yg45yg)

(山口弘剛)