ピクセルアートとも言われているドット絵。ファミコンやいにしえのPCのような、粗いグラフィックから、緻密で繊細なドットの描写は世界中にファンがいるほど。そのドット絵で織りなされる、現代廃墟を歩き回るという動画がツイッターで話題を呼んでいます。

 このドット絵は、せたもさんが作り上げた「廃墟ドット」という世界。コンクリートでできていると思われる建物にはツタが絡まり、あちこちが崩れています。主人公は、その廃墟の中を歩き回り、風景写真を撮っていく、という動画。

 この動画がツイッターに投稿されると、現代世界的なRPGやアドベンチャーゲームを彷彿とさせるその世界観に、世界中から称賛のコメントが。廃墟ドットはゲーム化を進めているところで、リプライにも「早くゲームをプレイしてみたい」「Really beautiful work!」「Insanely amazing!」「I love this dilapidated but full of life feel it has」「音と世界観が凄い好きです!」と、日本語と英語が飛び交うタイムラインに。

 せたもさんに、この「廃墟ドット」について幾つか質問してみました。以前からゲーム風の映像先品をつくっていたというせたもさん。そこに目を留めたのが、デベロッパーでプログラマであるヨウさん(@YO_CC2)。ゲームにしてみないかという声かけに、いつかゲーム化させてみたかったというせたもさんが乗り、さらに世界観を作る音楽をバーチャルねこ(@neko_vtuber)さんが担当。現在では3名でゲーム化へと進めているそうです。

 タイトルとなった「廃墟ドット」は、「なんとなく微妙なネーミングなんですが、廃墟ドットとしての作品は静止画からGIF、動画になってゲームと地続きの創作になっていて愛着があるのでそう付けました」と、その名前の由来を明かしてくださいました。

 作品のテーマは、荒廃した世界を綺麗に描写し、その中を自由に歩くこと。「世界全体が廃墟になっていて、それに到るまでの物語を担うオブジェクトが配置されていたり隠されていたりしますが、それらを読み取って解釈するのはプレイヤーの自由にしようと思っています」と自由度の高い設定となっているようです。プレイヤーの感性のままに、好きなように読み取る事が出来るということですね。

 リリースは来年の春ごろ、短編ゲームとしてリリース予定ということです。進捗やリリース情報などは、せたもさんのツイッターで都度アナウンスされるということです。開発を今年の4月26日から始めたということで、約1年かけて進めていっているようです。

 ピクセルアートやゲーム的な電子音楽であるチップチューンは、ファミコンなどのゲーム機から端を発し、インターネットを介して今では日本よりも海外の方が勢いがあるほど。国内でもピクセルアートやチップチューンを手掛けている人はすくなくありませんが、まだメジャーとは言い難い状況です。しかし、ゲームファンは多い事から、こうした文化もこれからどんどん伸びていくと思われます。

 筆者自身、こういったピクセルアートやチップチューンが大好きなひとり。この「廃墟ドット」も完成の知らせが入ったらすぐにプレイしてみたいと思います。

<記事化協力>
せたも/UPCさん(@setamo_map)

(梓川みいな)