様々な作品のキャラになりきり、作品への愛を表現する「コスプレ」。

 近年はその対象が広がり、技術の進歩もあってクオリティも大幅に向上。「オリジナル」と遜色ないものも登場しています。

 その様子はSNS上でも都度話題になりますが、先日も“とある”コスプレ動画がTwitterで反響を呼びました。

 「最終フィッティング 作動確認と細部のチェックちょいと手直しして首パーツ仕上げたら完成だぁ~」

 EDGE―中隊長さん(以下、中隊長さん)がそんなつぶやきとともに、Twitterに投稿した約17秒の動画。

 何かの動作確認をしていることがうかがえる内容ですが、そこにいたのは……アイアンマン!?「MARVEL STUDIOS」と記された旗を背景に、精巧なパワードスーツ(アイアンマン・アーマー)を着用し、そのまま動作を確認するコスプレイヤーが眼前に映し出されています。

 着用者のレイヤーが女性、アーマーカラーが「青」と「金」、バックパックのエアーフラップに記された「0049」「RESCUE」からするに、どうやらこのアイアンマンは、2019年に公開された映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」に登場する、探索救助作戦用アーマー「レスキュー」こと「アイアンマン MK49」のようです。

 メタリック感のあるボディが、「オリジナル」と遜色ないものとなっている動画内の「レスキュー」。しかし、このレスキューが凄いのは見た目だけじゃないんです。

 動画内では、アーマーを着用する「ペッパー・ポッツ」が映し出されているんですが、どんな「最終フィッティング」をしているのかというと、まず「ギュイーン」という機械音とともに顔面部分がフェイスオフ。あっという間に、アイアンマンシリーズの特徴的なフェイス面に「変身」。

 そして背面のバックパックについても、同じく「ギュイーン」という機械音とともにエアーフラップが「展開」。なんと飛行モードにも対応しているのです……スゲエ。

 まるで映画館にいるような感覚に陥りますが、しかしながら動画に映る「ペッパー・ポッツ」は、もちろんグウィネス・パルトローではありません。実はこのアイアンマン・アーマーを「開発」したのが、投稿者である中隊長さん。着用者であるエリナさんとともに、コスプレユニット「EDGE REBOOT」に所属されています。

 元々、マーベル作品(MCU)のファンだった中隊長さんは、今から7年前の2014年に「アイアンマン MK7」にてレイヤーデビュー。当時のコスプレ界隈ではまだ珍しかった「アベンジャーズ」のキャラを、チーム内で揃えていったそうです。

 そしてその造形は、当時から高評価。次作にあたる「アイアンマン MK43(2015年作)」では、何とマーベル公式を含めて国内外のイベントに招待されるほどになりました。

 ちなみに、今回のフェイスやバックパックの可動ギミックについては、RCサーボを使用して動かしているそうで、この構造はすでにデビュー作の「MK7」から取り入れているとのこと。「日本で最初にこれをフェイス可動させたのは自分だと思います」と、様々な面でパイオニアとして中隊長さんは活躍されています。

 しかしながら、コスプレ造形をここまでの再現度で仕上げるのは至難の業。そうそう真似できるものでもありません。

 中隊長さんも、ハードルの高さがあることは認めつつも「でも、だからこそやり切ったときの達成感もまた高いんですよ」とのこと。

 余談ですが、今回中隊長さんが投稿した動画に映るアイアンマン MK49は、「ほぼ完成状態」といいながらも、まだ首付近のパーツを作る必要があるとのことで、実は「未完成品」。動画は、そのための最終フィッティング、ということで撮影されたんですね。

 そんな中でも「しゅごい」「素晴らしいクオリティです」「テンション上がる」「これは実物を是非見たいです」という声とともに、8万近い再生回数を記録したのは、中隊長さんのこだわりと作品愛が伝わったともいえるでしょう。

 完成した姿が今から待ち遠しい中隊長さんの「最新作」ですが、先述のMCU作品以外にも、日本のアニメ作品のコスプレ活動も併行して行っています。こちらの「代表作」である、荒川弘氏原作の人気漫画(アニメ)「鋼の錬金術師」に登場する「アルフォンス・エルリック」の鎧(オウガーヘッド)では、公式コンテストでグランプリを受賞しました。

 今回の「レスキュー」完成後にも、様々な作品の制作に取り掛かるとのこと。中隊長さんの所属する「EDGEアベンジャーズ」の、今後さらなる活躍に要注目ですね。

<記事化協力>
EDGE-中隊長さん(@ECAPT1)
エリナ:Pさん(@eLiy_No7)
EDGEアベンジャーズREBOOTさん(@EDGECOS)

(向山純平)