最近の小学生はカラフルなランドセルで通っていますが、昔は「男の子向け」と「女の子向け」がしっかり区別されて、それに合わせるようにされた……という経験を持つ大人も少なくないはず。そんな気持ちを表現したツイートが反響を呼んでいます。

 ツイートしたのは「惑星(ほし)のさみだれ」や「スピリットサークル -魂環-」、「戦国妖狐」で知られる漫画家の水上悟志さん(@nekogaeru)。2018年に放送されたテレビアニメ「プラネット・ウィズ」の原作も手掛けています。

 水上さんは「心に乙女を住まわせているおっさんが無数に居るのと同様、心に小五男子を潜ませている女性も無数に居る。そいつは社会から女性らしくあれと作らされた心の花畑の片隅で段ボールに身を潜めていい感じの棒を握っている。もちろん膝にばんそうこ貼ってる」とツイート。

https://twitter.com/nekogaeru/status/1191245721665540096

 この投稿には、数々の「心に小五男子を潜ませた女性」が反応し、小さい頃の思い出を綴っています。忍者ごっこでブロック塀の上を歩いたり、駄菓子屋のスパイ七つ道具を身につけて誇らしげな顔をしたり……。

 青や黒が好きで、その色のグッズが欲しくても「それは男の子の色だから」と親にやんわり否定され、赤やピンクを仕方なく選んだ経験のある女性もいることでしょう。これらはいわゆる、ジェンダーロール(社会的性別)というものに根差した見方でもあります。

 乙女のような感性を持つ男性、いわゆる「乙女男子」がいるように、活発で男の子のような世界が大好きな女性もいるのは当然のこと。感性はその人個人のものであって、見た目の性別で類型化し、それを強制されるのは、つらいことでもあります。

 社会において、性別によってその「ふるまい」が規定されてしまうのは、ある意味において個性の抑圧でもあり、可能性が制限されてもったいないこと。好きなことが性別の「らしさ」とそぐわなくても、それが「その人らしさ」であれば、それでいいのではないでしょうか。

 乙女な心を忍ばせた男性も、小五男子が心の中に息づいている女性も、その人全体で見れば個性の一面でしかありません。横溢しすぎて他人に迷惑をかけるようでは困りますが、ありのままの自分を時折見せることは、けして悪いことではないように思います。

 ところで、あなたの心には、どんな存在がすんでいますか?

<記事化協力>
水上悟志さん(@nekogaeru)

(咲村珠樹)