2019年冬のコミックマーケットもサークルの当落が判明し、新刊発行に向けて作業中の人も多いと思いますが、なかなかスムーズに進まないこともしばしば。そんな同人誌制作のスケジュール管理を手軽にできる無料WEBサービス「同人手帳」が話題になっています。

 この「同人手帳」を作って公開したのは、漫画家の桜去ほとりさん(@sakurazari)。ITエンジニアとしても活動しており、そのスキルを使って同人誌制作のスケジュール作成をサポートするWEBサービスを開発したということです。

 スケジュール作成はわずか6ステップ。まず締切日と作業開始日を設定します。

 作る同人誌のページ数を設定し、行う作業の工程(表紙・プロット・ネーム・下描き・ペン入れ・仕上げなど)を選択。必要ない項目を減らしたり、逆に工程を追加することもできます。

 各工程にかかるであろう予想時間を入力。全体と1ページあたりが選択でき、小数点を使えば分単位の設定も可能になっています。

 さらに曜日ごとの作業可能時間を予測して、グラフをタップして設定すると、スケジュールが記載されたカレンダーが出来上がります。Twitterアカウントでログインすれば、クラウドに保存することも可能。


 このスケジュールは、実際の進捗状況を入力すると自動的に再調整され、締切に間に合わせるための目安も表示されます。これなら作業の道のりが把握しやすいですね。

 桜去さんによると、ご自身は新刊を落とした経験はないものの、同人活動はあくまで趣味でやっているケースが多いので、スケジュール管理ができるサービスの必要性を感じていたとのこと。とはいえ、スケジュールをきちんと入力できる人は新刊を落とさないと思うので、計画を立てるのが苦手な人向けに特化して作っているそうです。

 時間やページ数などの数値を入力する部分では、未定でも先に進めるように作ってあるので、とりあえずスケジュールを作ってみて、実際に可能かどうかを確かめることもできます、と桜去さん。できるだけ新刊を落とすサークルさんを減らしたい、むしろ早期入稿してほしい、というWEBサービス開発の思いを語ってくれました。

 筆者も同人歴が長いのですが、印刷屋さんにとってもイベントの日程ギリギリになっての入稿は、印刷や製本の品質管理に割ける時間的余裕がなくなり、納得いくものになりにくいのが実情。早期入稿ができれば料金の割引もあり、品質管理のしっかりした新刊を用意することができます。

 昔から「同人誌の制作スケジュールは、夏休みの宿題に似ている」という言葉もありますが、うまくスケジュール管理して、納得いく本を作ってイベントに参加してほしいと願うばかりです。「同人手帳」も、その助けとなってくれることでしょう。

<記事化協力>
桜去ほとりさん(@sakurazari)

(咲村珠樹)