東武鉄道は2019年9月27日、東武アーバンパークラインこと野田線の大規模ダイヤ改正を2020年3月に実施すると発表。これまで大宮~春日部に限られていた急行の運転区間が、大宮~船橋の全線に拡大されることになりました。

 埼玉県の大宮駅から千葉県の柏駅を経由し、千葉県の船橋駅を結ぶ「東武野田線」。2014年からは「東武アーバンパークライン」の路線愛称で呼ばれるようになっています。

 その路線は複線区間と、行き違い(列車交換)の待ち合わせが必要な単線区間が混在し、スピードアップが困難でした。しかし柏を挟んだ運河~船橋の区間で、単線だった逆井~六実の複線化と、高柳駅に優等列車の追い越し設備(待避線)が完成。待望の急行が全線で運転できるようになりました。

 2020年3月からの急行停車駅は、大宮、岩槻と、春日部~運河の各駅、流山おおたかの森、柏、高柳、新鎌ケ谷、船橋。春日部~運河では一部単線区間が残るため、各駅に停車することになります。運河~船橋で新しく急行停車駅となった駅は、追い越し設備を持つ高柳を除き、全て他社線との乗換駅となっており、その路線に乗り継ぐ場合の利便性が向上します。

 急行の運転パターンですが、朝と夕夜間のラッシュ時間帯に柏~船橋で毎時2本運転。朝のラッシュ時間帯(6~9時台)では、現在31分かかっている柏~船橋の所要時間が、急行では22分と9分短縮されます。

 夕夜間ラッシュ時間帯(16~22時台)では、現在30分の所要時間が19分と11分の短縮となります。急行の運転により、JR常磐線に接続する柏駅、新京成電鉄や北総鉄道に接続する新鎌ケ谷駅、JR総武線に接続する船橋駅を利用する通勤・通学がより便利になります。

 日中時間帯(10〜15時台)では、大宮~船橋で毎時2本急行を運転。大宮〜船橋の所要時間は92分から76分と16分短縮、運河~船橋では49分から34分と15分の短縮になります。

 東武野田線はこれまでの歴史的経緯(柏を境に別々の会社線だった)から柏駅が頭端式ホームとなっており、柏駅をまたぐ形で利用する時は多くの場合、柏駅で乗り換える必要がありました。しかしこれからは急行に乗車した場合、乗り換えの手間がいらなくなるのもメリットとなります。

 また、平日朝・夕、土休日朝・夕夜間には、大宮~柏で「区間急行」を新設。停車駅は大宮、岩槻と春日部~柏の各駅となります。急行通過駅となっている江戸川台、初石の各駅での利便性も確保する形です。

 このほか、他社線と接続する大宮、流山おおたかの森、柏、新鎌ケ谷、船橋の最終列車を最大30分繰り下げることで、夜遅い時間帯の利用が便利に。あわせて、平日夜には柏から清水公園・春日部方面へ、500系特急車両「Revaty(リバティ)」を使用した特急アーバンパークライナーも新設されます。

 今までのどかだった東武野田線が一気に変わりそうなダイヤ改正。沿線企業である弊社編集部も、2020年春の変革を心待ちにしています。

情報提供:東武鉄道株式会社

(咲村珠樹)