日本の航空自衛隊をはじめ、各国で導入が進むF-35。運用するアメリカ、イギリス、イタリアの3か国が2019年7月2日(現地時間)、初めてF-35の飛行隊同士による国際共同訓練をイタリアで行いました。

 イタリアのアメンドラ空軍基地で実施されたこの共同訓練。イタリア空軍は第32航空団の第13戦闘飛行隊からF-35Aが4機、イギリス空軍はキプロスのアクロティリ空軍基地で展開訓練中の第617飛行隊からF-35Bが2機、アメリカ空軍からはドイツのシュパングダーレム空軍基地に展開中の第421戦闘飛行隊に所属するF-35Aが4機参加しました。

 3か国の機体が集合ということで、記念の編隊飛行も実施されたのですが……F-35はステルス機のため、国籍標章も尾翼の部隊マーキングも低視認仕様となっており、パッと見ではどれがどの国の所属機だか判別できません。


 このほか、訓練のホストを務めたイタリア空軍から、ユーロファイターF-2000Aをはじめ、AMX攻撃機、T-346A練習機、そしてKC-767A空中給油・輸送機も参加して訓練が行われています。F-35とユーロファイターとの異機種間訓練も実施されました。

 イタリア空軍第32航空団司令官のダヴィデ・マルツィノット大佐は「わが国とイギリス、アメリカ3か国のF-35がともに訓練することは、相互間の運用能力向上に資するだけでなく、NATO加盟国同士の結束を強化するものです」と語っています。

 イギリス空軍第617飛行隊長のジョン・ブッチャー中佐は「同じNATO加盟国であり、ヨーロッパの友好国であるイタリアで訓練することは非常に有益なことです。今日の訓練は非常にうまく行きましたし、F-35運用国間の作戦能力をさらに強化することができました」と、この訓練の成果を強調しています。

 アメリカ空軍第421戦闘飛行隊のアリ(注:パイロットのコールサイン)中佐は「今日の訓練は、ヨーロッパの同盟国が保有するF-35の高い運用能力をさらに強化することにつながりました。F-35は高度なネットワーク能力を持っており、NATO加盟国間において、より高いレベルでの指揮統制能力を発揮することができます」と、F-35のネットワーク能力がもたらす恩恵に言及しています。

 訓練のホストスコードロンとなった第13戦闘飛行隊長のデ・グイダ少佐は「ほかの機体が行うには複雑な任務も、F-35では非常にたやすく実施できました。F-35のネットワークシステムは、この機体を航空機という枠に留めない力を発揮してくれます」と、同じく戦闘ネットワークシステムの一部として機能するF-35の特長を強調しています。

 現在ヨーロッパでF-35を実戦化しているのはイギリスとイタリアのみとなっていますが、もうすぐノルウェーも初度作戦能力を獲得する見込み。また今年の夏には、イギリスのマーラム空軍基地の第207飛行隊が海空軍パイロットのF-35機種転換飛行隊として発足する予定です。

 このほか、オランダへの導入も進んでいるだけに、ヨーロッパ各国間でF-35の共同訓練という機会は、これからどんどん増えてくるものと思われます。

<出典・引用>
イタリア空軍 プレスリリース
Image:Aeronautica Militare/RAF Crown Copyright 2019

(咲村珠樹)