NATO加盟国、パートナー国で「トラ(タイガー)」の名前やエンブレムを持つ戦闘機機部隊らが集まり、交流を深める共同訓練「NATOタイガーミート(NTM)2022」がギリシャのアラクソス空軍基地で始まりました。

 参加部隊が部隊名にちなみ、トラのスペシャルマーキング機を用意することでも知られるこの訓練は、5月9日から5月20日まで実施される予定です。

 タイガーミートが最初に開催されたのは1961年のこと。イギリス空軍の第74(F)飛行隊「タイガース」がホストとなり、イギリスのウッドブリッジ空軍基地にアメリカ空軍第79戦闘飛行隊「タイガース」と、トラがデザインされたエンブレムを持つフランス空軍の1/12飛行隊を招いて共同訓練を行い、トラがとりもつ部隊の縁を温めたことに始まります。

NATOタイガーミート2022エンブレム(画像:ギリシャ空軍)

 以来、毎年1回開催されるようになったタイガーミート。今回は初めてギリシャ空軍第335飛行隊がホストとなり、イオニア海に面したアラクソス空軍基地に9か国から10部隊、オブザーバーが3か国3部隊、ビジター2か国2部隊が集結しました。

タイガーミート2022開会式(画像:ギリシャ空軍)

 開会式にはトラの着ぐるみも兵と一緒に並びます。大真面目に姿勢を正し、指揮官の閲兵を受ける姿はちょっとユーモラスですね。

トラも整列(画像:フランス航空宇宙軍)

 トラにちなむ部隊同士の相互交流を目的とした共同訓練のため、タイガーミートにはいくつかの慣例があります。代表的なのが「トラにちなんだデザインの飛行服やヘルメット、グッズを身につけること」。これと同時に、トラをテーマにしたスペシャルマーキング機も用意されるようになりました。

ギリシャ空軍のパイロット(画像:ギリシャ空軍)
ギリシャ空軍第335飛行隊のF-16(画像:ギリシャ空軍)

 また、ギフトの交換も交流のために用意されます。参加する戦闘機も1機は必ず複座機を参加させることと規定されており、後席に他の部隊のパイロットや指揮官が乗って体験飛行し、交流を深めます。

フランス航空宇宙軍1/30飛行隊のラファール(画像:フランス航空宇宙軍)
後方はイタリア空軍のスペシャルマーキング機(画像:ギリシャ空軍)

 通常の共同訓練とは異なり、トラにちなむ部隊同士の交流を目的とした「NATOタイガーミート」。期間中には航空ファン向けのイベントも設定されており、5月13日に機体を撮影できる「スポッターズデイ」、5月15日に地上展示とエアショーが開催されます。

<出典・引用>
NATO統合航空部隊司令部 ニュースリリース
ギリシャ空軍 ニュースリリース
フランス航空宇宙軍 ニュースリリース
スペイン空軍 ニュースリリース
画像:ギリシャ空軍/フランス航空宇宙軍

(咲村珠樹)