部屋に花を飾るだけで、心がパッと明るくなるもの。そんな人の心を癒し、元気にさせる花をモチーフに、プラスチックの板(以下、プラバン)で思わぬものを制作した人がいました。お花をモチーフにしたリースやかんざし、ブローチなどのインテリア雑貨を制作しているあいろさん。その作品の中でも、プラバンで作られた「藤の花ランプ」が、ツイートするやいなや、なんと4万件の「いいね」がつくほど好評に。

 こちらの投稿を目にした人の中には「これは凄い!」「ガラスじゃなくて、プラバンなんですか!」「昼も夜もきれいでいい作品だなぁ」と、ガラスのランプのように透き通ったその美しさに感動している方も多いようでした。そこであいろさんに作品作りについて詳しく話をお聞きしました。

――「藤の花」というと、花びらがいっぱいついていてプラバンで作るには難しそうですが、なぜ「藤の花」をモチーフにしたのですか?

 プリザーブドフラワーやドライフラワーにはしにくい花を、リアルに、そして身近にインテリアとして飾ることができたら、と考えて制作をしている中で、藤が開花する時期(4月~5月頃)がたまたま近かったので藤の花を選びました。

 藤の花の特徴的な形を生かせないかと思ったときに、ランプにしたら素敵だと思ったのが制作のきっかけです。プラバンで作りにくそう、というのはあまり考えていませんでした(笑)。花びら(平面)で構成されていて、構造を理解できればなんでも表現できるのも、プラバンの魅力だと思っています。

――制作の時期と藤の見頃が重なったことがきっかけだったんですね。因みに「藤の花ランプ」のカラーバリエーションは、紫色以外にもあるのでしょうか?

 現在は紫のみとなっていますが、将来的にはピンクや白、紫も青みがかった紫と、赤みがかった紫といった、微妙な色合いのもの、そして藤の花と似たように咲くヒスイカズラという花でもランプを制作出来たらと思っています。

――それにしても、これだけの花びらをつけるのに、ものすごく時間がかかりそうですが……。

 最初にランプにしようと考えたのが4月の初め頃だったので、2か月ほど完成までにかかりました。花の部分はすぐできたのですが、そこからランプにするための設計に時間がかかってしまいました。

――ランプについているツタや葉は、何を使用しているのですか?

 ツタや葉っぱの部分はランプ部分を強調するためにも透けない素材を使いたかったので造花を使用しています。どうしても藤の葉っぱだけを入手することができず、違う品種の葉っぱを使わざるを得なかったのが残念です…。

――なるほど。気になったのですが、プラバンをランプの素材にすると、熱で表面が溶けてしまいそうだなと思ったのですが、そのへんは大丈夫なのですか?

 ランプのライトにLEDを使用しているので、表面温度は50度ほどになる想定です。プラバンの原材料となっているポリスチレンの変形温度は約100度以上なので、熱による変形の可能性は極めて低い想定になっています。構造的にも隙間が多いので、長時間の利用に対しても温度は上がりにくいと考えています。

――あいろさんが今後挑戦してみたい作品はありますか?

 いつかは個展を開いてみたいです。壁一面にリースを飾ったりしたら、きっときれいなんだろうなぁと(笑)。
あとはまだ構想だけなんですけど、ウェディングドレスのヴェールの裾にプラバンの花を刺繍みたいに縫い付けて、プラバンの音を感じる作品なんかも作ってみたいです。

 今後のご予定を聞いたところ、ワークショップ・作品展示・販売などが楽しめる「”The Garden in east side tokyo” モノマチイレブン」のイベントでは、2019年5月24日、25日、26日の全日程で、フラワーリースのワークショップを開催するそうです。その他にも2019年6月8日、9日開催の「ヨコハマハンドメイドマルシェ2019」、2019年8月3日、4日開催の「真夏のデザインフェスタ 2019」(あいろさんは8月4日に出展)では対面販売を行うとのことなので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

<取材協力>
あいろさん(Twitter:@airoiro)

(黒田芽以)