カーフェリー「さんふらわあ」で知られる商船三井フェリーは4月18日、このたびの熊本での大地震を受け、4月19日大洗発苫小牧行きの便を欠航し、それに充当予定だった船を被災地へ回航させて、避難者の宿舎として提供することを検討していると明らかにしました。 ※本稿末尾に記事公開後の19日に発表された「今週中の船舶派遣は見送り」について追記しました。

避難者宿泊施設として提供することを検討しているのは「さんふらわあ ふらの」(総トン数1万3539トン)。通常は、茨城県の大洗港と北海道の苫小牧港を結ぶ航路に就航しています。18日の18時45分に苫小牧港を出港し、19日の14時に大洗港に到着した後、九州の被災地へ向かう予定のようです。

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(写真:さんふらわあ ふらの)

旅客定員は705名。長距離フェリーなのでレストランや男女別の大浴場も完備しており、いわば「浮かぶホテル」ということになります。

(写真:さんふらわあ ふらののレストラン)


(写真:さんふらわあ ふらのの大浴場)

2名定員のデラックスルーム、4名定員のスタンダードルームは家族で使用することができます。スタンダードルームは洋室だけでなく和洋室、そして和室仕様の部屋もあるので、椅子に不慣れな方も安心でしょう。

(写真:デラックスルーム)


(写真:スタンダードルーム(和洋室))

12名定員のカジュアルルーム、大広間になったエコノミールームは、様々な活用ができるでしょう。

(写真:カジュアルルーム)


(写真:エコノミールーム)

どこまでの区画が避難者に提供されるかわかりませんが、トラックドライバー用のベッドルームもあります。

(写真:ドライバー区画)

岸壁を占有してしまう為、港の方で受け入れができるか、色々クリアしなければならない問題もありますが、民間企業が定期便を欠航させてまで船を提供するというのは、かなり思い切った決断だといえます。

どれほどの期間提供するのか、詳細については社内で検討中のようで、20日以降の運航スケジュールはまだ発表されていません。商船三井フェリーの大洗〜苫小牧航路の夕方便は、この「さんふらわあ ふらの」のほか、僚船の「さんふらわあ さっぽろ」が就航していますので、何日も欠航する訳ではなく、運航便数を半減させて維持することになるかもしれません。

(写真:さんふらわあ さっぽろ)

「さんふらわあ ふらの」らが就航している夕方便は主に一般旅客が利用しており、同航路のメイン顧客である長距離トラックの多くは、夕方便ではなく深夜便を利用しています。こちらは「さんふらわあ しれとこ」と「さんふらわあ だいせつ(2015年7月31日の火災後修復され、2016年2月3日より航路に復帰)」の2隻体制が維持されるので、物流への影響は少なく済みそうです。

今回の地震では、震度6弱以上の地震が7回も起こりました。さすがに耐震設計された建物でも、これだけの揺れを何度も受け止めて健全性を維持できるか、という耐久性までは求められていない(そもそも想定していない)ので、不安を覚えている避難者もいることでしょう。現在、熊本市内だけで6万人以上の避難者がいる中でのわずか705名分ではありますが、しばしの間でも、安心できる場所で避難者が過ごせるようになればいいと、心から思います。

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【追記】
19日、商船三井フェリーから、今週中の船舶派遣は見送り、19日大洗発の夕方便は予定通り運行するとのリリースがありました。なお「弊社といたしましては、関係当局のご要請があれば、被災された方々への支援に引き続きご協力したいと考えております」とのことです。

▼参考
商船三井フェリーInformation  4月19日(火)大洗発「さんふらわあ ふらの」運航に関して
4月19日発表:「熊本地震」被災地支援に関して

(文:咲村珠樹)