「那須サファリパーク恐ろしいw」「近すぎて怖い」「バイオハザードかよ!」「草食動物の本気見た」……なんて声をネット上で目にしました。

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那須サファリパーク

サファリパークといえば、動物たちが放し飼いになっている中をゆっくり車で移動しながら間近で見るのが醍醐味。筆者も何度か他のサファリパークに行った事がありますが、基本近くて当たり前。
「大騒ぎすることかなぁ。」と思いつつ、とりあえず百聞は一見にしかずで行ってきましたよっと。

■入場方法はレンタカーかバスを選ぶべし!

ライオンバス

訪れたその日は、晴天の日曜日。料金所も兼ねる入り口ゲートには4台ほどの車が連なってました。

しばらく待っていると係のおば……お姉さんがやってきて、人数と乗り入れタイプを聞いてきます。サファリパークの中へは、マイカー、レンタカー、バスと3つの手段から選んで入るそうです。

それぞれ入園料の大人・2600円/小人・2100円の他に、マイカー・500円、レンタカー・2000円、バス・大人1100円/小人600円がかかります。

筆者は迷わず一番安い「マイカーで!」とお願いしたのですが、お姉さんが洗車したての車を見て「汚れるからレンタカーがお勧めですよ」と一言。他のサファリパークで何度かマイカーで入る経験をしていますが、特に汚れた記憶はありません。「商売上手ぅ」と思いつつ、断れない日本人代表の筆者は「はい」と笑顔で即答。

しかしこの時のアドバイスは後に、心から感謝することになるのです。あの時のおば……綺麗なお姉さん本当にありがとう!!と。

■レンタカーは人数に応じてタイプが選べるぞ!

料金所を通過すると、広々とした駐車場。ライオンバスも一緒にとめられていました。

ライオンバス
ライオンバス

レンタカーはワンボックス、軽、ライトバンと数種類あり、人数に応じて貸してくれます。また柄も数種類用意されており、その時あるものの中から好きなものが選べます。
筆者はドライバー役のスタッフと2人だったので軽を選びました。

ワンボックス
軽

■いざ!中へ!

レンタカーに乗り込み、動物たちが待ち受けるゲートの前まで進みます。
門があくまでの間、門番の紳士から音声案内を受け取って、軽く注意事項の説明をうけます。
「入ってしばらくするとライオンゾーンだから窓は開けないこと。草食動物のエリアでは窓をあけてもいいけど10センチまで。」といった内容。

一通りの説明を受けると、音声案内をONにしていざ中へ!

入り口ゲート

中に入ってすぐに速度看板が出ていました。園内は10キロ規制らしいです。しばらくは策や網のあるエリアを進みます。ここには世界でも珍しい「ホワイトライオン」がいるそうですが、この時は隠れていたのか見ることができませんでした。

さらに入っていくと、ライオンゾーンに突入。「怖いと言われるのはここからか?」と期待に胸膨らませましたが順調に進んでいきます。あれ?想像してたのと違うぞ!?

たてがみの立派なオスライオンがいる場所にも横付けしましたが、何かあるわけでなく……。

ライオン

■恐怖へのカウントダウン……それはキリンさんから

ライオンゾーンを抜けると、次はキリンのいるエリアへ。
ここでは動物にエサをやってもいいという事なので、入り口で買った専用のエサをあげることに。窓を10センチほどあけると……、キリンさん容赦なく鼻をつっこみ舌をのばしてくる!!!

キリンの舌は思いの外長く、しかも涎だらだら。慌てて5センチほど閉じてエサをあげてみます。
1個目あげてキャハハウフフしようと思っていたら、キリンさん食べるのが早く「次早くよこせ」と言わんばかりにせっついてきます。またあげると「もっとよこせ」的にさらにせっつかれます。
逃げたいのですが、窓から舌がベロベロはいってくるので、下手に動くと怪我をさせそうで怖くて動けません。心の中は軽くパニック。
そんなこんなで、慌ててる間に写真は撮り忘れるわ、エサ袋の半分はカツアゲもといあげることになるわ……。こ、これが怖いということなのか?いや、でもまだ違う気もする……。

なんて考えながら、ようやくキリンさんのカツアゲエリアから抜けて草食動物エリアに。こちらにはロバさんやシマウマさんがいるようです。

「ウフフ、こっからは余裕~。」と思っていたら、門をあけたところにロバさんがずらり。道の真ん中を陣取っています。

立ちふさがるロバ

■草食動物恐るべし!マジで怖いっす!

ドライバーも思わず「前に進めねぇ」とポツリ。とりあえず怪我をさせないよう、ゆーっくり動いてみますが、7~8頭ほどのロバさんに車をぐるっと囲まれすぐに停止。一歩も前に進めません。
こ、これか、怖いってのは。ごくり……。

ロバさん、窓に鼻をくっつけたり、窓ガラスをベロベロしたり、車を小突いたりして、猛烈に「エサよこせ」アピールをしてきます。
雰囲気的にはヤンキーが窓を叩いて「はよエサよこせやー」「お前らもってんだろー」と言ってるような感じ。
これが1頭2頭のロバなら何てことありませんが、流石に7~8頭に囲まれると何とも言えない恐怖感。

かこまれた!
とにかく積極的

とちあえず、「はっ、はい!!すぐに」と、窓を5センチほどあけて出来るだけ遠くに、ぽんぽんエサを投げていきます。でもさすがに7~8頭分のエサはなく。さっきキリンさんにカツアゲされたばかりだし……。

早くもここで全てのエサを使い果たしたのでした。空になった袋を見せて(気分は白旗)、「もうないよ」アピールをすると「さっさと行きな」的な冷たい目を。
エサがないと用無しらしく、即座に解放してもらいました。ちなみに彼らはあの場所が固定のようで、次に入ってきた車も続々と同じ被害にあってました。

■人生初、ロバとの併走

なんとか離脱し車を走らせると、さっきのロバの群れから1頭離れ併走してついてきます。「車に接触するとか考えないのかな?」と心配になるほどの近い距離での併走。

併走するロバ

雰囲気的には「おらおら、まだ隠し持ってんだろー」という感じで、目も合わせちゃいけないレベル。そんなこんなで、しばらくゆっくり走ると、今度は別の動物たちが次々立ちふさがります。鹿さん、ラマさん……、ホントいろんな動物たちが。
冒頭ネットの声で「バイオハザードかよ!」というのを紹介しましたが、まさにそれ!こちらを見付けると、ゾンビならぬ動物たちが立ちふさがり次々ふらふら~と近寄ってくるのです。

ロバ ラマ

道の真ん中にいると車が止まるという事を知っているようで、わざと立ちふさがりエサクレクレしている模様。でも持ってないと分かるとすぐに解放してくれます。
それを繰り返しながら、なんとか出口ゲートへ。

最後の方は、少し前を進む車が生け贄になってくれたおかげで、こちらは動物たちに囲まれることなく、ある程度順調にすすむことができました。

■那須サファリパークは癖になる

いやー。貴重な経験ができました。サファリパークにはこれまで何度か行ったことはありますが、ここまで積極的に「ぐいぐい」近寄られることはありませんでした。

ぐいぐい

サファリパークというと普通はライオンや虎がメインになるんでしょうけど、ここの名物は間違いなく草食動物たちだと思います。あまりにぐいぐいされすぎて「怖い」と感じることもありましたが、悪い意味ではなく楽しい意味での怖さ。出てみると何度も訪れリベンジしてみたくなる。そんなサファリパークでした。

なお、草食動物エリアの途中ではエサの販売所が設けられています。早々にエサを切らした場合には、中でも買えるのでその点ご安心を。

それから冒頭で紹介した「レンタカー」か「バス」にしなさいの理由ですが、その理由は出口を出てすぐの洗車場にあります。
マイカーで入った人のために用意されており、筆者が出たときにも数台の車が洗車していました。
レンタカーを返却するついでに係の人に話を聞いてみると、動物達がつけた汚れを皆さん落としているそうです。「少し臭いもあるので」と。

そりゃそうですよね、窓にあれだけベタベタされたら。何て思っていると「あ、ドアさわらないでください。涎ついてるかもしれないんで!」と注意を受けました。

よかったです、マイカーで入らなくて。入り口の綺麗なお姉さん本当にありがとう!!!ありがとう!!ありがとう!!!

【那須サファリパーク】
栃木県那須郡那須町高久乙3523番地
8:00~17:00(最終入園受付16:30まで)
http://www.nasusafari.com/index.html