3月21日、イチローが引退しました。東京ドームで行われたアスレチックス戦後の深夜に引退会見を開きましたが、イチロー節の連発に、まるで「イチローのオールナイトニッポン」だと話題になっています。

 オリックス時代に「シーズン210安打」「7年連続首位打者」、大リーグ時代には「シーズン262安打」「10年連続200安打」「10年連続ゴールドグラブ賞」「日米通算4367安打」など、数々の記録を打ち立ててきたイチロー。そのため、今回の引退会見は記者の人たちも緊張していたのではないでしょうか?

 しかし、会見場に姿を現したイチローの第一声は「こんなにいるの!?ビックリするわ……。そうですか」と、くだけた感じでした。そして、徐々に「イチロー節」が飛び出してきました。ファンの存在について聞かれたとき、「ファンの方々の存在なくしては、自分のエネルギーはまったく生まれないと言ってもいいと思います」と話した後、会見場に沈黙があったせいか「え、おかしなこと言ってます?僕。大丈夫ですか?」とコメント。会場が笑いに包まれました。

 さらに、現役生活の中で野球を楽しくやっていた瞬間について聞かれたとき、「子供の頃からプロ野球選手になることが夢で、それが叶って。最初の2年、18、19の頃は1軍に行ったり来たり」と話した後、「行ったり来たり」っておかしい?行ったり、行かなかったり?あれ?行ったり来たりって、いつも行ってるみたいな感じだね。あれ?どうやって言ったらいいんだ?」と、どう表現したらよいのかわからなくなり、会場が和やかな雰囲気に。

 続いて、日本テレビの徳島えりかアナウンサーが質問する際、「開幕シリーズを大きなギフトとおっしゃっていました。でも、私たちの方が大きなギフトをもらったような気持ちでいるんです」と話すと、すかさず「そんなアナウンサーっぽいことを言わないでくださいよ」と突っ込んでいました。

 そして、会見が進み飛び出したのが「元イチロー」という言葉。記者から「現役選手を終えたら、イチロー選手は、何になるんですか?」と問われると、「何になるんだろうねぇ……」と考え、「そもそも、なんかさぁ、カタカナのイチローってどうなんですかね?」と言い、「『元カタカナのイチロー』みたいになるんですかね。あれ、どうなんだろ。『元イチロー』って変だよね。いやイチローだし、僕って思うもんね。音はいちろう(一朗)だから。書くときどうなるんだろうね。どうしよっか」と発言し、また会場が和やかな雰囲気に包まれました。

 また、号泣していた菊池雄星選手について聞かれると、「号泣中の号泣でした、アイツ。いやもう、ビックリしましたよ。それ見てこっちは笑けましたけどね」と感想を言い、記者たちも笑っていました。その後にも「左投手の先発って変わっている子が多いんですよ」と発言し、羽田空港に着いたときに、メジャーリーガーなのに菊池選手が黒のジャージ姿だったことをネタにしていました。

 会見が終盤にさしかかると、「おなか減ってきたもぉ~。結構やってないですか?これ。いま、時間どれくらい?1時間20分?あら~……。今日はとことん、お付き合おうしようかなと思ったんですけどね。おなか減ってきちゃった」という発言には記者たちも爆笑。そして、同じ質問をしてしまった記者に「集中力切れてきているんじゃないの?完全にその話をしたよね!」と突っ込み、笑いが絶えることはありませんでした。

 会見の最後を、「いやぁ~……長い時間、ありがとうございました。眠いでしょう?みなさんも。じゃあ、そろそろ帰りますか。ね?」と締めくくったイチロー選手。その他にも、「(ホームゲーム時、試合前に食べるおにぎりを今まで2800個作り続けてきた奥様に)3000個、握らせてあげたかった」、「(神戸への恩返しについて)税金を少しでも払えるように頑張ります」、「(小学生の頃の自分に)契約金で1億ももらえないよ」など、数々の「イチロー節」が飛び出していました。

 この一般的な引退の記者会見とは少し違った内容に、ネット上では「これイチローの引退会見じゃなくて一朗鈴木のオールナイトニッポン?」「イチローのオールナイトニッポンって企画進んでないの?進めてほしい」など、イチローの深夜のおもしろトークに、ニッポン放送の人気番組「オールナイトニッポン」を連想する人たちが続出しています。

<出典・引用>
イチロー引退会見(3月21日)
Seattle Mariners(@Mariners)
※画像はSeattle Mariners公式Twitterのスクリーンショットです。

(佐藤圭亮)