誰かと一緒に作業していたり生活していたりすると、つい相手に期待する事も多くなります。しかし自分の思っていた期待の通りにその相手が反応してくれないとがっかりしたりイラついたりする事も少なくありません。

 こんな悩みが結構多いみたいで、漫画家のさわぐち けいすけさん(@tricolorebicol1)の元にも寄せられているようです。今回は、そんな内容とどう考えればいいのかを漫画で紹介しています。

 「期待する相手を他人から自分に」と題されたこの漫画、寄せられた悩み相談から漫画化されたもの。漫画には、付き合っているカップルと思しき男女二人。女性の方は「彼はいつだって私との予定を優先してくれる(と期待している)」と思っていますが、彼氏は「俺、来週末に友達と泊まりで遊びに行く」と告げています。

 その時の彼女の反応「ひどい!私一緒に映画に行こうと思ってたのに」とご立腹。対する彼氏、「思ってただけでしょ」。約束もしていないのに彼氏が一緒に予定に付き合ってくれると期待していた彼女、すねてしまっているようです。

 そこで、相手に期待してばかりだと「裏切られた」と思う基準がどんどん下がる、と解説しています。せっかく一人なんだからやりたい事やったら?と呼びかけるさわぐちさんに、彼女は……「やってみたいこと……………す………」酢?「…スカイダイビング」「陶芸」「ボルダリング」……意外と幅が広かった。

 「でも私なんかが挑戦して上手くいくのでしょうか?すごく不安です。さわぐちさんはどう思います?」と問いかける彼女に対しさわぐちさんは、「上手くいかないと思います。初めてだから当然です。だから気楽に始められます。」とお返事。すると彼女は「もう少し自分に期待してみます。『見返りのないやさしさを人に』『根拠のない期待を自分に』もっと意識してみます。とりあえず、ずっと興味ありつつできていなかったボルダリングから始めてみます」と。

 お互い、よい休日に……。そこまでは良かったのですが、さわぐちさんの手元には今週末締め切りの仕事リスト。「明日の自分に乞うご期待!」と就寝するさわぐちさんに奥さま「がんば」。それは違うとつっこんで欲しかった……。

 相手への期待の高さは、「自分がここまでやれるから相手も同じようにできるはず」という相手と自分の同一視があるかもしれません。あるいは、自分が思っているから相手も同様に思っているであろうという根拠のない予測や決めつけも相手への期待に含まれているかしれません。自分以外の人間は、必ずしも自分と同じレベルではない、同じ考え方や行動パターンを持っていないという事を意識すると、自然と相手に対して過剰な期待を持たなくなるかも知れません。

 中にはどれだけ好きで尊敬していても、一部分だけ受け入れられない考え方やクセを持っているという人だっているかと思います。そういった相手の個性を自分の思い通りになるように期待をかけるのではなく、それならそれで、と受け入れ、では自分はどうしたら快適に過ごせるか、何ができるか、といった「自分に目を向ける」事が大事かと思います。

 自分に目を向けてみる事で、考えていたやってみたい事を思い出す事ができたり、興味の幅が広がったりする事もあります。ちょっとした失敗は成功のために必要な要素・経験ととらえる事で、失敗する事も怖くなくなります。失敗はしてみないと試行錯誤ができませんからね。色んな経験と失敗を重ねる事で、最適解に辿り着けるものです。相手への期待はそこそこに、自分への期待は大いに持って、やりたい事に取り組んでみるときっといつもと違った視点になれると思います。

<記事化協力>
さわぐち けいすけさん(@tricolorebicol1)

(梓川みいな)