こんにゃくでシャリを稲荷寿司のように包んでいただく郷土料理「こんにゃく寿司」があることをご存知でしょうか。今回は「こんにゃく寿司」が食べられるお店を東京で発見したので実食してきました。

 訪れたのは幡ヶ谷駅から徒歩4分ほどのところにある、こんにゃく寿司と季節限定かき氷の専門店「KON こんにゃく寿司とかき氷」(渋谷区西原1丁目14-13)。お店のオーナーでもある刺繍作家の小林モー子さんが、古民家を改装して2021年8月にオープンしたお店です。

こんにゃく寿司と季節限定かき氷の専門店「KON こんにゃく寿司とかき氷」

 小林さんに話をうかがうと、こんにゃく寿司との出会いは熊本県阿蘇にある友人のカフェでポップアップストアを始めたこと。熊本県小国町に住むお客さんがお土産に持って来てくれたのだとか。

 小林さんの第一印象は「なんだこれ?かわいい」だったそう。そして美味しいものを多くの人に届けたいと思い、「KON こんにゃく寿司とかき氷」をオープンすることにしたそうです。

 目の前に運ばれてきたのは、熊本・南関町の郷土料理である南関いなりがセットになった「こんにゃく寿司と南関いなり 万(よろず)の日本茶付き」(税込1980円)。田舎寿司とも言われるだけあって見た目も素朴な感じがして、古民家を改装した店内の雰囲気ともマッチしています。さっそく、まずは南関いなりからいただきます!

「こんにゃく寿司と南関いなり 万(よろず)の日本茶付き」(税込1980円)

見た目も素朴な感じ

 一口サイズとなっているので食べやすく、パクッと口の中へ。巻かれている南関あげが口の中に入れると見た目以上にふっくらしていて厚みが感じられます。そして噛めば噛むほど南関あげから出し汁が「ジュワ~」と出てきてジューシー。ゴマを混ぜ込んでいる酢飯との相性もバッチリです。

一口サイズとなっている

噛めば噛むほど南関あげから出し汁が「ジュワ~」と出てきてジューシー

 続いて、いよいよこんにゃく寿司。店員の方によると、熊本産の少し甘い醤油に生姜ときび砂糖で甘辛く炊いたこんにゃくを使用しているそう。元々こんにゃく寿司は高知が発祥で、それが熊本にも伝わり小国町でも根付いたのだとか。山間部の魚などがとれない地域で「ごちそう=お寿司」と考えた時に、身近にある食材で工夫して生まれたのが始まりと説明してくれました。こちらも、いただきます!

こんにゃく寿司

熊本産の少し甘い醤油に生姜ときび砂糖で甘辛く炊いたこんにゃくを使用

 こんにゃくは弾力があってかみごたえ抜群。酢飯と一緒にワサビと大葉も入っていたようで、ワサビのツーンとした感じと大葉の香りが良い仕事をしています。素朴でシンプルな味わいがクセになる逸品。4つだと少ないかな?とも思いましたが、思った以上にボリュームがあって大満足!

こんにゃくは弾力があって歯ごたえ抜群

酢飯と一緒にワサビと大葉も

 手が止まらずパクパク食べてしまい、あっという間に完食。ごちそうさまでした!南関いなりもこんにゃく寿司も「素材1つ1つにこだわり、手作りしています」と小林さん。こだわりがつまった田舎寿司は本当に美味しかったです。ありがとうございました。

あっという間に完食

取材協力:KON こんにゃく寿司とかき氷

(取材・撮影:佐藤圭亮)