世界中から愛されているくまのぬいぐるみ「テディベア」。

 多くのファンがいるゆえ、アレンジもまた多種多様。SNSでも都度話題になるのですが、先日もTwitterに出没したあるテディベアの姿が、多くのユーザーの目を奪いました。

 「バギーベア(バグったクマ)を友達が作ってくれた! オーロラリフレクターって言う生地らしい。次何作ってもらおう」

 造形作家の岡田悠助さん(以下、岡田さん)が、そんなつぶやきとともに自身のTwitterに投稿したのは、会社の同僚から貰ったという、テディベアを撮った約20秒の動画。

 そこには「BUGGGY」と記されたタグがつき、全身をサイケデリックなカラーリングが施されたテディベアが出現。反射しているかのようなゲーミング感あふれる姿は、誰しも目を奪われるものとなっています。

造形作家の岡田さんが手に取っていたのは独特な色をしたテディベア。

 さらに動画内では、岡田さんが手を回しつつ、テディベアを様々な角度から披露。首元にある緑のリボンが浮かび上がっているようにも見えます。

まるでバグっているかのようなゲーミング感溢れるテディベア。

全身が発色しています。

 文字通りの「映え投稿」には、多くのTwitterユーザーの目が釘付けに。これほどまでに視認性の強いテディベアは、なかなかお目にかかれません。どういうカラクリなのか気になるところです。

 「これは、私の所属する会社『有限会社自由廊』のデザイン・衣装担当である小野が、『オーロラリフレクター』という生地で作ったものなんです。元々小野は、テディベアを作るのが好きな人間で、いくつかオリジナルを作っていました。今回はたまたまこの生地を手にして、『これで作ればめちゃくちゃ可愛いんじゃ?』ということで制作しました」

 「オーロラリフレクター」とは、福井県にあるアパレル会社「株式会社丸仁」が有する、特許技術で作られた特殊な材質の生地。「再帰性反射」と呼ばれる、道路の交通標識にも用いられる光の現象を活用し、対象をヘッドライトなどで照らし合わせることで、生地が発色する仕組みになっているんです。

 今回岡田さんが撮影した動画についても、同様にフラッシュ撮影によって発色した「後」のもの。投稿のリプライ欄や、岡田さんのInstagramアカウントにて投稿したテディベアは、紫柄の生地が艶感を出していますが、どちらかといえば馴染みのある装いとなっています。

発色前のテディベア。艶感のある見た目です。

 これが光を当てることにより、今回Twitterで反響となったゲーミング世界でバグったかのような「バギーベア」に変貌。

光を当てることで、発色するバギーベア。

 見ているだけで、脳裏に焼き付くようなインパクトですが、この投稿には、「販売元」である先述の丸仁が展開するブランド「LIGHTFORCE(R)」公式Twitterも思わず反応しています。

様々な特殊メイクや造形を作っている岡田さん。テディベア制作者は所属会社の同僚。

 今回投稿した岡田さんは、本業は先述の自由廊にて、TV・映画・CMなど様々なジャンルの特殊メイクや特殊造形を制作。TwitterやInstagramでは、その作品が都度投稿され話題となっています。

現在は「現代版能面」を制作中の岡田さん。その見た目もまた目を引くもの。

 ちなみに現在は、「日本文化と特殊メイクで養った『リアル』を合わせた『現代版能面』を制作しています」とのことです。

<記事化協力>
岡田悠助さん(Twitter:@dakarasapiri/Instagram:@okada_jur)

(向山純平)