イギリス海兵隊は2020年6月27日(現地時間)、コマンドー部隊の新しい迷彩戦闘服を導入すると発表しました。海兵隊が海軍と統合されたことを象徴する、イギリス海軍旗のパッチが採用されたのをはじめ、迷彩パターンも従来のマルチテレイン・パターンから、アメリカ軍なども採用しているマルチカム・パターンに変更されています。

 イギリス海兵隊は海軍と統合され、将来のコマンドフォースとしての大規模な近代化計画が進められています。その一環で一新されたコマンドー部隊の迷彩戦闘服は、第二次世界大戦で最初のコマンド作戦となった1940年6月23日のカラー作戦(Operation Collar)から80年になるタイミングで発表されました。


 海軍と統合されたことを象徴するものとして、袖にはイギリス海軍旗「ホワイト・エンサイン」のパッチがつけられます。また、第二次世界大戦時に作られた特殊部隊「ブリティッシュ・コマンドス」の伝統を受け継ぐものとして、ネイビーブルー地に赤の文字による当時のデザインをもとにした「ROYAL MARINES COMMANDO」のパッチも。赤い文字は目立つため、任務の性格によっては取り外されます。


 新しい迷彩戦闘服の供給元は、アメリカのクライ・プレシジション(Crye Precision)社。生地は従来のものより引き裂きに強い素材で、同社の開発した迷彩「マルチカム」を採用しています。この迷彩生地は可視光だけでなく、赤外線暗視装置を使用した際でも同じような迷彩効果が発揮できるようになっています。



 現在唯一のコマンドー部隊として残っている、海兵隊第3コマンドー大隊のインシグニアも、1940年にブリティッシュ・コマンドスが組織された際に使用された、伝統的なダガーのデザインに手直しされました。



 今回の新戦闘服調達計画を主導した、海兵隊のベン・レイノルズ中佐は「この新しい戦闘服の実戦における利点を過小評価してもらいたくはありません。最も過酷な環境で任務を遂行するコマンドー部隊のために、特別に選ばれたものなのです」と語っています。


 この新迷彩戦闘服はNATOの調達支援局の協力により、1年ほどで全数が調達され、すでに海兵隊員に支給が完了しました。新しい戦闘服は、この秋から本格的に使用されることになっています。

<出典・引用>
イギリス海軍 ニュースリリース
Image:Crown Copyright 2020

(咲村珠樹)