イギリス海軍とアメリカ中央軍(CENTCOM)、アメリカ海兵隊は2021年6月22日(現地時間)、イギリスの空母クイーン・エリザベスに搭載されたイギリスとアメリカのF-35Bが、対テロ作戦の一環で攻撃に参加したと発表しました。イギリスの空母クイーン・エリザベスとF-35が実戦に参加するのは、これが初めてのことです。

 イギリス空軍第617飛行隊“ダムバスターズ”とアメリカ海兵隊VMFA-211“ウェークアイランド・アヴェンジャーズ”のF-35Bなどを搭載し、5月に母港ポーツマスを後にした空母クイーン・エリザベス。オランダのフリゲートやアメリカの駆逐艦を艦隊に加え、アジア太平洋を目指して地中海を東進しつつ、訓練を重ねてきました。

 NATO加盟国との共同訓練「ステッドファスト・ディフェンダー」を6月上旬に終えた空母クイーン・エリザベスは、いよいよ初の実戦に。中東地域で行われている対テロ作戦に参加することになりました。

 実弾を搭載した英米のF-35B計18機は、地中海東部を航行するクイーン・エリザベスから次々と発艦します。目指すは中東に潜む“イスラム国(IS)”の拠点です。


 クイーン・エリザベスの空母打撃群を率いるスティーブ・ムーアハウス代将は「空母クイーン・エリザベス初の対テロ作戦参加は、これから50年におよぶ艦の歴史にとって非常に重要な瞬間として記憶されるでしょう。そしてこれは、現在進行中の派遣任務が、新たな段階に入ったことを意味します」とコメント。クイーン・エリザベスが実戦に参加することの重要性を指摘しています。

 クイーン・エリザベスに派遣されているアメリカ海兵隊VMFA-211の飛行隊長、アンドリュー・ダンブロギ中佐は「私たちはイギリスの同僚と作戦に参加することを誇りに思っています。私たちは空母クイーン・エリザベスに派遣されている間、任務を完遂する用意ができています」とコメントしています。

 クイーン・エリザベスの航空機部隊を指揮するジェームズ・ブラックモア大佐は「イギリス海軍はリビアでの作戦以来、およそ10年ぶりに攻撃作戦に復帰しました。同時に、アメリカの航空機が外国の空母から作戦に参加するというのは、1943年に南太平洋で我が国の空母ヴィクトリアスから出撃して以来のことです。我が国海空軍とアメリカ海兵隊は真にシームレスな統合を果たしており、これは昨年10月から密接に活動してきた証明でもあります」と語り、非常に歴史的な出来事であるという認識を示しました。

 中東での作戦に従事した空母クイーン・エリザベスは、この後スエズ運河を経由して太平洋へと進出します。太平洋では日本をはじめとする友好国を訪問するほか、海上自衛隊などとの共同訓練も予定されています。

<出典・引用>
イギリス海軍 ニュースリリース
アメリカ中央軍(CENTCOM) ニュースリリース
アメリカ海兵隊 プレスリリース
Image:Crown Copyright/USMC

(咲村珠樹)