ロバート・A・ハインラインが1956年に発表したタイムトラベルSFの名作「夏への扉」が、山崎賢人さん主演で映画化されることになりました。原作の時を超えるラブストーリーから、日本を舞台にした物語に再構築。人生にすべてを奪われたロボット科学者が未来を取り戻す物語として、2021年公開を予定しています。※山崎賢人さんの崎の字は立崎(たつさき)が正式です。

 原作の「夏への扉」は、ロバート・アンスン・ハインラインが1956年に雑誌「The Magazine of Fantasy & Science Fiction」に発表したタイムトラベルSFの古典的名作。タイトルの由来は、主人公の技術者が飼っている猫のピート(ペトロニウス)が、冬になると明るく楽しい夏へと通じる扉を探して、主人公に家の全てのドアを開けるようにせがむ仕草をすることから。猫好きの間でも評価の高い作品です。

 今回の映画では、どちらも片道で時間を自由に行き来することのできないタイムマシンとコールドスリープを駆使し、1970年から2001年へ愛する人と時を超えて結ばれるラブストーリーである原作を、日本を舞台にした物語に再構築。1995年から2025年に時を超え、ロボット科学者が失った研究成果や会社、大切な人たちを取り戻すストーリーとなります。

 山崎賢人さんが演じる主人公のロボット科学者、高倉宗一郎は1995年、尊敬する偉大な科学者だった亡き父の親友、松下の遺志を継いで開発してきたプラズマ蓄電池の完成を目前に控えていました。猫のピートと、松下の娘である璃子との穏やかな日々の中で、信頼していた共同経営者と婚約者の裏切りに遭い、自身の会社や開発中の蓄電池、ロボットを奪われてしまいます。

 さらに人体を生きたまま冷凍保存し、未来への片道タイムマシンとなるコールドスリープ(冷凍睡眠)装置に入れられてしまった宗一郎は、覚醒した2025年の東京で、愛猫のピートや璃子が死に全てを失ったことを知ります。失意の宗一郎は暗転した運命を取り戻すため、30年の時を超えたリベンジを誓うのでした。

 監督を務めるのは、2010年の「ソラニン」で長編映画監督デビューを飾って以来、2012年の「僕等がいた 前篇・後篇」をはじめ「陽だまりの彼女」「ホットロード」「アオハライド」「坂道のアポロン」「フォルトゥナの瞳」といった話題作を毎年のように送り出している三木孝浩さん。撮影は2020年初旬に行われ、1995年のシーンでは、当時使われていた小道具をスタッフが集めるなどして詳細に再現したといいます。

 山崎賢人さんは「もともとSF好きな僕が、SF小説の原点ともいえるような名作をもとにした作品に出演させて頂けたこと、そして三木監督と一緒にこの作品を作ることができたことをとてもうれしく思います。1995年を舞台にしたレトロでチャーミングなセットや、SF要素全開のセット、90年代の衣装に近未来的な衣装・・・毎日ワクワクしながら現場を過ごしました。愛おしくて、ワクワクするような、そんな映画をお届けできる日を楽しみにしています」と、撮影を振り返りながらコメントを寄せています。

 時を超え、自らの運命を変えようとする科学者の姿を描く映画「夏への扉」は、東宝=アニプレックスの配給により、2021年全国ロードショーの予定です。

■「夏への扉」
出演:山崎賢人
監督:三木孝浩
脚本:菅野友恵
原作:ロバート・A・ハインライン/福島正実訳「夏への扉」(ハヤカワ文庫)

(C) 2021「夏への扉」製作委員会
情報提供:アニプレックス

(咲村珠樹)