イギリス海軍のリバー型哨戒艦バッチ2の5番艦にして最終艦、スペイ(P234)が2019年10月3日(現地時間)、スコットランドのグラスゴーで命名式典を行いました。艦名の由来はスコッチウィスキーの産地(スペイサイド)としても知られるスペイ川です。

 リバー型哨戒艦は、主にイギリスの水産における領海・排他的経済水域の警備・救難用に計画された2000トン級の船。固定武装の機関砲のほか、違法操業を取り締まるため、臨検用の小型艇を2隻搭載しています。

 リバー(River)型という呼称でお察しの通り、艦名はイギリスの主要な河川から命名されています。バッチ1、2で合計9隻建造され、バッチ1の1番艦はタイン、バッチ2の3番艦はトレントと、今回のスペイと同じくイギリスの主要河川から命名されている、ロールスロイスのターボファンジェットエンジンと共通の名前を持つ艦も存在します。

 グラスゴーで行われた命名式典では、通常シャンパンで船の門出を祝うところ、名前の由来となったスペイ川にちなみ、スペイサイド産のスコッチウィスキーが用いられました。

 スペイの艦長となるベン・エバンス少佐は、命名式典に際し次のような談話を発表しています。「このクラスの最終艦であるスペイは、これまでに建造された姉妹艦のフォース、メドウェイ、トレント、タマールの経験が反映されています。これは我々にとって強い追い風となります。私はこうも思っています――スペイは最後にして、最優秀の艦であると」

 スペイはこの後、BAEシステムズのスコッツタウン事業所で武装などの艤装作業に入り、約1年後にポーツマスで就役の時を迎えます。

<出典・引用>
イギリス海軍 プレスリリース
BAEシステムズ プレスリリース
Image:Crown Copyright 2019

(咲村珠樹)