効率化や自動化が重要視されている現代、家事においても様々な最新機能が開発されています。料理においても、自動で煮込み料理をする調理器具や、多機能なオーブンレンジなど様々な調理家電が開発されています。しかし、いまだ「料理は手間暇かけて行うもの」という概念に縛られている人も少なくないかもしれません。そんな概念に、一人の料理研究家が一石を投じる発言をし、ツイッターで話題になっています。

 様々な時短レシピや簡単で美味しいレシピを発表している料理研究家のリュウジさん。ツイッターフォロワー数は43万人を超える大人気料理研究家です。

 そんなリュウジさんのもとには時々こんな意見がくるそうです。「時短レシピは手抜きじゃないんですか?罪悪感が沸きます」という声。これに対しリュウジさんは「どう答えていいかとても悩む 日本の台所はいつからそんなにブラックになってしまったのだろう 手間暇かけた料理は素晴らしいけど、その手間暇はスパイスとして楽しむものであって、台所に立つ人への足枷ではない」と、思うところをツイッターに投稿したところ、大きな反響が。

 その反響のほとんどが、現代の労働事情や家庭環境など、時代に即した時短レシピは手抜きではなく効率化であり、家事テクニックのひとつとしての提案であるという内容。「時間を掛けていない=愛情がこもっていない」という考え方は、今や時代錯誤と感じる人が多い様です。

 家事を助ける家電に囲まれている現代の家庭環境の中で、なぜ料理だけが手間暇かけないといけない罪悪感に苛まれなければならないのでしょうか?時間にゆとりがあって家事スキルが高い人であれば、あまり苦にならない事なのかもしれません。しかし、仕事に追われ、育児に追われ、周りの人間関係やその他諸々の事情に囲まれて余裕がない昨今で、そんな悠長な事ができる人はどれだけいるのでしょう?手間暇かけた料理がそれだけで良しとされる事について、疑問を持つ人も少なくないと思います。

 筆者個人的には、料理スキルも年齢の割にはあまり高いわけではなく、体調が悪くて臥せっている事も時々あり、好き嫌いの多い子どもに振り回されてまともな食事を作りたくても作れない時があります。そんな時に、しんどい時でも冷蔵庫の中にあるもので手早く作れる時短レシピはとてもありがたい存在。冷凍食品も活用しつつ、栄養とお腹を満たすというミッションを遂行できる時短レシピに罪悪感を抱く事などありません。時には「自分の気持ちを満たすための食事」と割り切って作る事すらあります。

 長く働く事自体が美徳とされてきた時代は終わり、効率よく短時間で自分の仕事を遂行する事がこれからのスタンダードになります。働き方改革同様、家事も同様に効率化を進めていく事も必要なのではないでしょうか。

<記事化協力>
リュウジさん(@ore825)

(梓川みいな)