2015年11月に惜しまれつつあの世の取材旅行に旅立った水木しげる先生。その先生の残した漫画全て収録することをめざし作家・京極夏彦さん監修のもと講談社より『水木しげる漫画大全集』全103巻完結へむけ続々刊行中となっていますが、9月2日の本日、その103巻とは別に『補巻1 媒体別妖怪画報集Ⅰ』というものが発売されました。

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水木先生の漫画作品の掲載誌には、漫画連載に連動して「画報」と呼ばれる妖怪画のグラビア特集が併載されることが多々ありました。これまでの『水木しげる漫画大全集』各巻には、漫画作品と関連ある雑誌掲載の妖怪画報を随時収録したそうですが、連載企画や単行本で発表された妖怪画報については、紙幅の関係と漫画大全集というカテゴリ上、掲載することができなかったそうです。

また、それぞれの妖怪画報に同じ妖怪画が重複して掲載されたり、同じように見えて実はまったく違う妖怪画だったり、絵が同じで名前が別だったり、その逆だったり、総数2000点以上ともいわれる水木妖怪画の全容を把握することは非常に困難な状態。

そこで漫画大全集の予約購読向けに、別巻として『初期妖怪画報集』を作成したところ「一般向けに市販して欲しい」との熱烈要望があったそうです。そうした反響をうけ、別巻をより発展させたスペシャル本としてつくられたのが今回の『補巻1 媒体別妖怪画報集Ⅰ』。『水木しげる漫画大全集』各巻に収録された妖怪画報と、『補巻』とを併せることで、事典・図鑑にまとめられる以前の水木妖怪画のすべてが見られるようになることを目指すそうです。

『補巻1』では、少女漫画誌『なかよし』に掲載された「これはびっくり! へんなおばけちゃん!」、『週刊少女フレンド』掲載の「絵で見る日本の怪奇大特集」を皮切りに、『月刊太陽』『月刊漫画ガロ』『週刊ヤングジャンプ』『コミックアルファ』という、各時代を代表するそうそうたる雑誌に連載された水木妖怪画報が一挙収録。また、水木先生が初めて手がけた記念すべき妖怪画集、『週刊少年マガジン増刊 水木しげる日本妖怪大全』も全150ページ余を丸々収録。

他にも大泉実成さんとの共著『水木しげるの大冒険』シリーズ3冊に掲載された世界の妖怪画報も合わせて、1967年から2000年までの水木先生の妖怪画報をお腹いっぱい500ページを超えて詰め込んだそうです。

のちの妖怪画集にあまり載っていないレア妖怪画も多々あり。初出準拠、掲載媒体別、しかもデジタルリマスターならではの高品質で掲載当時のカラーも完全再現。ファンなら垂涎の一冊。価格は4,500円(税別)となっています。

補巻1 媒体別妖怪画報集Ⅰ

▼参考
水木しげる漫画大全集 補巻1 媒体別妖怪画報集(1)