先日ネットを徘徊しておりましたところ、なんと『2015年 第三次世界大戦勃発』なる話題を目にいたしました。な、なんだってー!

【関連:国歌『君が代』の謎―ネットで噂のヘブライ語翻訳版】

戦争のイメージ

という訳で、本稿ではそのネタ元となったと思われる、予言書・未来人達の言葉を拾い集め、題して『ドキドキ☆予言書・未来人が告げた2015年「第三次世界大戦勃発」大予言!!』をご紹介してみようと思います。

一応先に注意として書いておきますが、この記事は完全にネタ記事です。ネタと理解した上で読み進めて下さい。

■ノストラダムスの大予言 2015年版

フランスの医師、占星術師、そして予言者として知られるミシェル・ド・ノートルダム(ペンネーム:ノストラダムス)。
彼の書き残した詩集『予言集』(百詩篇)には予言が含まれているとされていますが、記される文は「詩」になっておりストレートに予言が書かれているという訳ではありません。
そのため世界中に『ノストラダムス研究者』という人達がいて、この書に記された意味を独自解釈して発表しては度々世間をお騒がせしているという次第です。

独自解釈本で日本で有名なのが、『ノストラダムスの大予言』。
この中で紹介された、「1999年7月人類滅亡」の終末論は、当時世間を大騒ぎさせましたが、原文には人類が滅亡するとは一言も書かれていません。

一説によると、この詩集には7000年までの予言が記されているのだとか。それを考えると、地球が滅亡するのはまだまだ先なようです。

で、前置きが長くなりましたが、海外サイト『Mix Top Ten Lists』では2015年版の予言(解釈)としてこんなことが紹介されていました。
「人間の寿命が200歳まで延びる」、「アフリカ西部で巨大地震」などに紛れて……、ありました!「世界が放射線で焦げ付く」です。なかなかセンセーショナルな予言ですね。

でもこれ原文をそのまま訳すると「王達は森林を奪い、空が開き、大地は熱で焼かれる」(The kings shall rob the forests, the sky will open, the fields shall be burned by heat,)という感じ。
私は予言者でもなんでもありませんが、もしこれをそのまま理解するならば、「(大手企業による)森林伐採や、工場から排出される大気汚染の影響で、オゾン層が破壊されたり温暖化が進む」と読み解き、「大気汚染が深刻化する」か「環境問題が深刻化する」と書きます。補足ではこのことに触れられていますが見出しだけ見るとびっくりします。

念のため他の海外サイトの解釈も調べてみたところ、『coolinterestingstuff.com』など複数でも私と似た解釈で紹介されていました。解釈する人によって表現はこうまで変わるようです。

【参考・引用】
Mix Top Ten Lists
coolinterestingstuff.com

 
■2036年からやってきたタイムトラベラーが残した2015年の歴史

2000年にアメリカの大手掲示板に登場した、自称タイムトラベラーでジョン・タイターと名乗る男性。
彼は掲示板やチャットを通じて、未来に関する情報やタイムマシンについていくつか書き残しています。

未来に関する情報については、外れた物もあれば、当たった物もあり……、記者がざっと見た感じだと外れの方が多いような気がします。
ただ彼は当時、自分がこの世界線(パラレルワールドの概念)で活動したことにより、未来が変わる可能性があると説明しています。

で、肝心な2015年についての予言(彼にとっては歴史)は?

▼ジョン・タイターが残した2015年の歴史
2015年、ロシア連邦が反乱部隊の援助という名目でアメリカ、中国、ヨーロッパの主要都市に核爆弾を投下。アメリカが反撃し核戦争となり、第三次世界大戦へと発展する。
その後、アメリカの外交権麻痺に乗じて、中華人民共和国が覇権主義を強化。台湾、日本、韓国を強引に併合する。後にオーストラリアが中国を撃退するが、ロシアの攻撃により半壊滅状態になる。ヨーロッパ諸国もロシアによりほぼ壊滅するもアメリカが撃退し、ロシア連邦が崩壊する。

ここでは「第3次世界大戦」と言う言葉がハッキリ出てきます。
しかも核爆弾を投下だとか、日本の近くでは中国が動き出し、世界規模で覇権争いが起こるとも。
日本については、中国の一部となるそうです。ど、どうなんでしょうねこれ。現実のものにはなって欲しくはありませんが。

【参考・引用】
wikipedia「ジョン・タイター」

■中国の古代予言書『推背図』

中国版『百詩篇』(ノストラダムスの大予言)といわれる、予言書『推背図』。約1300年ほど前の唐の時代の天文学であり数学者の李淳風と袁天網の共著で、二人が皇帝に献上したものとされています。

中国に関する予言だけが書かれているそうですが、あまりに的中率が高かったため、「争いの元になる」として、後に禁書にされてしまいます。
でも隠されると気になるのは世の常で、次第に内容が漏れ多数のコピー本(写本)が出回ってしまったため、対応に苦慮した宋の皇帝はでたらめな内容の『推背図』をわざとばらまいたという逸話が残されています。

話を戻しますが、この『推背図』は、60象(章)六十干支(60年周期)で構成され、各章ごとに干支がそれぞれ記されています。

各象(章)は、予言と思われる漢詩と、補足説明の文、そして意味深なイラストがセットになっているのですが、著者の二人は相当な天才だったらしく、漢易、象数易、天文暦法、数学を取りこみ考案されたと考えられており、解釈する側にも広い知識が求められます。

書かれる内容についての読み解き方は、二通りあるようで、一つ目は六十干支通りその年の干支がその年の予言(今年なら「乙未」なので第三十二象)と解釈するものと、二つ目は第一象は「宇宙のなりたち」と、第二象~は唐代と、時代ごとの予言が書かれているとするものがあります。

前者の理論でいえば、今年該当するのは『第三十二象の乙未』。

▼第三十二象 乙未
讖曰:
馬跳北闕 犬敖西方
八九數盡 日月無光

頌曰:
楊花落盡李花殘 五色旗分自北來
太息金陵王氣盡 一枝春色占長安

難解な漢詩ということなので、私が読んでもどうかと思うのですが、漢詩の方は「北闕(宮殿の北の門)で馬跳ね 西方(西洋?)で犬遊ぶ 八十九数が尽し 無光の月日」、補足については「楊花(綿花?)は李花を欠けさせ(散らせ?) 五色(様々な色?)の旗は分けて北来(or北来し分ける?) 金の陵王は怒りに大きなため息をつく 一枝の春色は長安を占める」という感じでわりと平凡そうな内容。

一応日本語の分かる中国人にみてもらったのですが、どちらも難解すぎて訳を間違えている可能性はあるということでした。
そのため、記事についたSNSのコメントで参考になる訳があった場合には、追記で紹介させていただくことがあります。ご容赦ください。

なお、『第三十二象の乙未』について、二番目の説で解釈した場合には、中国のサイトによると、明朝の崩壊を示唆しているそうです。

 
そして!いよいよ本題です!二番目の説で解釈した場合ですが、ネット上では、第五十六象の己未が2015年のことと解釈され、しかも『第三次世界大戦』勃発予言として扱われていました。

▼第五十六象 己未
讖曰:
飛者非鳥 潛者非魚
戰不在兵 造化游戲

頌曰:
海疆萬里盡雲煙 上迄雲霄下及泉
金母木公工幻弄 干戈未接禍連天

漢詩の方は「飛ぶ者鳥にあらず 潜る者魚にあらず 兵不在の戦  造化は遊戯なり(造物主の遊戯なり?)」で、文の方は「沿岸万里(or海の彼方まで?)に煙雲がたちこめ 上は雲霄(雲まで)下は泉にまで及び 金母木公は幻をもてあそぶ 戦は未だ災いに接し天に連なる」という感じでしょうか。金母木公については、詳しい訳が分かりませんでしたが、どうも五行思想を指しているようです。

肝心の『第三次世界大戦勃発予言』の根拠についてですが、ネットの話によると漢詩の部分の印象から

・飛ぶ者鳥にあらず→無人偵察機
・潜る者魚にあらず→潜水艦

と、現代の戦争を表しているのではないかと解釈されています。
そして補足文の「連天」や「雲煙」などの印象から「世界規模での戦争」「核爆弾が投下された荒廃した大地」と解釈し、『第三次世界大戦』と結論づけたよう。
どうなんでしょうね?これ。ちなみにこの章については「金母木公」を五行思想で解釈すると、2004年(甲申)か2005年(乙酉)を指しているという説もあります。

2004年と2005年、軍事関連で何が起こっていたか調べてみたところ、ボーイングジャパン社が過去ホームページに掲載していた内容に、こんな記述を見つけました。

「スキャンイーグルは、滞空時間の長い自律型無人偵察機で、ボーイングの100%子会社であるインシツ社(Insitu Inc)によって開発され、2004年に米海兵隊が、翌2005年には米海軍で運用を開始しています。」
(ボーイングジャパンのHPでは上記内容は既に削除されていますが、キャッシュでみることができます。)

と紹介されていました。この無人機にはミサイルを搭載できるものもあり、現代の戦争では、兵士は遠隔地にいながらそれこそゲーム感覚で戦争に参加することが増えているそう。

2005年当時の米軍の無人飛行機所有率は5%ほどだったとされていますが、2012年2月には「31%を超えた」という報道があり、2015年の今年については、50%を超えていてもおかしくないと考えられます。
確かにこの2年の間には、後の戦争事情に大きな影響を与える出来事が起こっていたようですね。
この章が2005年の予言ならばなんとなく納得しますが、2015年『第三次世界大戦』勃発論はちょっと無理があるような気がします。

しかしこの『推背図』には、日本に関わる気になる予言がもう一つ書かれていると言われています。

▼第五十五象 戊午
讖曰:
懼則生戒 無遠勿屆
水邊有女 對日自拜

頌曰:
覬覦神器終無用 翼翼小心有臣眾
轉危為安見節義 未必河山是我送

「生戒懼(恐れ)ることすなわち 無は屆(その時)を遠ざける
水辺に女あり 日は対し自拝す」、文章は「不相応な神器ついに無用 臣の人々はよくよく警戒す 危機を乗り越える節義は 必ずしも我山河にこれ送らず」という感じ?

この中には文の方に「臣(おみ)」という、ヤマト王権時代豪族に与えられた姓が含まれています。なので、どうもその辺から日本に関わる内容と解釈されているようです。

ネットではこの文章から「日本は沈没し中国に取り込まれ中国の中で文化を残していく」というような解釈になっていました。

私はそこまで漢文は得意ではありませんが、これが中国だけの予言書だと思えば「分不相応な事を求めるのはよくない、他国の人達は警戒がきびしいから、よけいなことするのはやめなさい、でもこれまでのことは詫びなくてもいいよ」と読めます。大きく間違えているかもしれないし、楽観的すぎる考えかも知れませんが……。

【参考・引用】
推背圖―Chinese Prophecy
Google検索「ボーイング 無人偵察機」→キャッシュから

■日本にもいた!2062年から来た未来人が残した未来の歴史

匿名掲示板『2ch』に、2010年11月~12月、2011年7月、2012年12月と現れた自称2062年から来た未来人という人がいます。
応答の数々は、今でもスレッドで見ることができ、一部はまとめサービス『Naver』で紹介されています。

彼は、2010年時点で、2011年3月11日に訪れる大地震を知っていた節があるとされています。その投稿が以下のもの。

▼2010/11/14
Q.あなたの時代までにあった歴史に残るような大きな自然災害(2011~2062年)を
いくつか教えてください
A.自然災害に関しては、言う事が許されない。人口動態変化に繋がる事は言えないのだ。
ただし、忠告しておく。yあ 間 N意 埜 b於 レ

「yあ 間 N意 埜 b於 レ」の部分は暗号のようになっていて、「山に登れ」と読むことができるそうです。

そして、この人物は直接的には2015年についての予言(彼にとっては歴史)は残していませんが、『第3次世界大戦』については触れています。

2010年11月14日の投稿で、「世界大戦ありましたか? 」と他のユーザーからたずねられると、「世界大戦は1回あった。第三次世界大戦。」とハッキリ答えています。
そして日本も参戦したこと、日本に核は落とされないこと、日本は本土を死守すること、そして2030年よりもっと早い時期にその時が訪れることを記しています。

なお、その時の戦争は、「アジアのある二か国」が原因で発生し、アメリカ、日本が応戦、最後はインドが鎮圧して、中国はインドに大半を取り込まれるという話に。
他にも、「ロシアは手がつけられなくなる」「(中国は)世界各国から非難され孤立。そして暴挙へと移行し、各国から一斉に攻められ終焉。」とも説明されているので、この人の言う戦争の原因はロシアと中国という可能性が浮上します。

ちなみにこの人物は、タイムマシーンで「2016年4月15日」にも行くと語っています。彼は何らかの目的があり、この時代に来たと言っており、2010年11月に初登場し、数か月後に大震災が発生したという経緯から、「2016年4月15日は何かが起きた後なのか?」と、ネットには気にする人が多いようです。

【参考・引用】
Naverまとめ【311的中?】おれ、未来(2062年)から来たけど、なんか聞きたい事ある?【未来人?】

 
未来人に、予言書――。どちらも何だかうさんくさいものばかりですが、ただこういう過去からの警告は、過剰に不安を募らせるのではなく、予測される大地震も近いことですので、「防災準備を見直すきっかけ」そして最初にも書きましたが「ネタ」として受け止めていただけると幸いです。