ブラジル陸軍 作戦用レーション皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
今回は、非常にレアなアイテム、ブラジル陸軍の作戦用レーションです。
ブラジル料理と言えば、肉の塊を炙ったシュラスコぐらいしか私は思いつきませんでした。

情熱の国のレーションとは、一体どのようなものでしょうか。


●ブラジル軍レーション
ブラジル軍のレーションは、情報が非常に少なく、インターネットで探しても詳細や写真は、わずかしか見つけられません。
実物が流通しているのを見ることはまず無く、これが私の手元にあるのも奇跡的な事です。
「それを食べてしまうのはもったいない」と「腐らせてしまう前に中を見てみたい」という複雑な気持ちですが、勇気を持って開封してみましょう。

パッケージ

ブラジル軍は、陸軍と海軍がそれぞれ独自のレーションを採用しています。
今回は、陸軍の R-2A/91 というタイプの『作戦用レーション』で、5種類あるメニューからメニュー4を試食します。

内袋

パッケージを開封すると、小型のパッケージが5つと説明書が1枚出てきました。
ポルトガル語を訳してみると、各パッケージには、朝食、昼食、夕食、夜食、アクセサリーと書かれています。
24時間レーションと呼ばれる1日分のパッケージの場合、3食分よりも少し多めの食料が入っているのが一般的ですが、明確に4食目の「夜食」が入っているのは珍しいことです。
それでは、各パッケージを開けて試食していきましょう。

●アクセサリー

アクセサリーパッケージ

まずはアクセサリーのパッケージから。

・小型ストーブ
・固形燃料(4個入り)
・多目的紙
・マッチ箱(40本入り)
・浄水剤(5錠)
・プラスチックスプーン(4本)
・紙ナプキン(5枚)
・チューインガム(2個入り)
・爪楊枝(2本)
・ハチミツ(2パック)

スプーンがフニャフニャで安っぽいですが、他国の物にも見劣りしない内容です。

●朝食

朝食内容物

朝食のパッケージを開封すると、以下のものが出てきました。

・ヤングコーンのポリッジ
・クラッカー(塩味)
・グアバジャム(3パック)
・チョコレートミルク

ポリッジとは、穀物の粥のような欧米の料理です。

朝食

ポリッジとチョコレートミルクは、粉末をお湯で溶きます。
ヤングコーンのポリッジは、コーンポタージュスープを甘くしたような味で美味しいです。
クラッカーには、グアバジャムを付けて食べます。
ジャムはたっぷりありますが、アクセサリーにあったハチミツも付けてみました。
どちらも美味しくいただけました。
チョコレートミルクは、安っぽいチョコレートの味で残念な感じでした。

●昼食

昼食内容物

昼食のパッケージには、以下のものが入っていました。

・豆と乾燥塩肉と米
・オレンジジュース
・アイソトニック飲料(レモン)
・生黒砂糖

昼食

『豆と乾燥塩肉と米』は、『Baião de dois』というブラジル東北部の代表的な料理だそうですが、なんと調理が必要でした。
水を加えて5分間置き、火にかけて水分が無くなるまで煮込むとのこと。
一般的に各国のレーションは、温めるかお湯を入れるだけで食べられるので、調理が必要なものは初めてです!
食べてみると、肉が水分をあまり吸ってなくて硬かったですが、十分食べられます。
ハーブやスパイスのしっかりした味付けでなかなか美味しいですが、日本では馴染のない味です。
生黒砂糖は、日本で売っている黒砂糖とは全く違います。
水分があってしっとりとしています。甘みはそれほど強くなく、微かに酸味もありフルーティーです。
南米地域ではよく食べられているそうですが、これは本当に美味しいです。
オレンジジュースは、駄菓子屋の粉末ジュースの味で、懐かしかったです。(笑)
アイソトニック飲料は、スポーツドリンクを残念にした感じの味でした。

●夕食

夕食内容物

夕食のパッケージは、シンプルに以下の3品だけ入っていました。

・牛肉ソースのパスタ
・パイナップルジュース
・バナナゼリー

パスタ

牛肉ソースのパスタの袋からは、乾燥パスタと粉末ソースが出てきました。
これも調理が必要だそうです。
キャンティーンカップ(水筒に付属する金属のカップで鍋としても使える)で沸騰したお湯にパスタと粉末ソースを入れ、5分間煮るとのこと。
実に面倒くさいレーションです。

夕食

完成したパスタには、具がほとんど入っていませんでした。
食べてみると、ビーフソースは単純な塩味で、特別美味しくはありませんが十分食べられます。
……と最初は思いましたが、食べているうちにパスタが急速にソースを吸い、ベトベトのひどい食感に変わっていきました。
これを食べきるのは、なかなかの試練でした。
早食いは兵士の基本だそうですが、別の意味で納得してしまいました。(笑)
バナナゼリーは、結構固くちょっと癖がありますが、紛れもなくバナナの味です。
パイナップルジュースは、昼食に引き続き駄菓子屋の粉末ジュースの味でした。

何だか、とても質素な食事でした。

●夜食

夜食内容物

最後は夜食のパッケージです。

・クラッカー(塩味)
・オレンジジャム
・キャッサバスープ
・トロピカルドリンク(リンゴ、バナナ、イチゴ)

リンゴは、トロピカルなフルーツではないはずですが……(笑)
キャッサバは、社会の授業で習った記憶があります。熱帯地方の芋ですね。

夜食

キャッサバスープは、粉末に熱湯を入れると、ドロっとしてきていい香りがします。
ポタージュ的な味で、日本で市販しても問題ないくらい美味しいです。
クラッカーは、朝食と同じものです。これもジャムやハチミツを付けて食べました。
トロピカルドリンクは、駄菓子屋の(以下省略します(^^;)

初めての南米のレーションでしたが、地域的な特色もあり、面白いレーションでした。
ただ、調理が必要な点は、マイナス要素。
各食事の量も控えめで、肉体労働の兵隊さんには物足りないんじゃないかと感じました。
味の面では、一部に地雷もありましたが、物珍しいものもあり、とても美味しかったです。

【注意してください!!】
ブラジル軍レーションを初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。

(文・写真:Dacho)