主に飲食店の店頭で見かける機会の多い券売機を、なんとリズムマシンのような電子楽器に変えてしまったのは、X(Twitter)ユーザー「うこ」さん。

 報告と共に投稿された動画には、ボタンに連動してキーが虹色に光り、それぞれ異なる電子音が鳴る様子が収められています。まるでアーケードの音ゲーみたい!

 会社経営、会社員に農業と、さまざまな仕事をこなしながら、電子工作品の制作もおこなっているうこさん。学生時代からずっと音楽を続けていて、これまでにもモノづくりと絡め、電子楽器や音楽の制作を行ったことも。

 そのため、ボタンが羅列された機器を見ると「これは音階にならないかなあ……」とつい考えてしまうようになり、その代表格とも言える券売機に関しては、もう何年も前から「そのうち楽器にしてみたいな」と思い続けていたのだそう。

 そんな折、たまたまネットオークションにて、紙幣を認識できなくなったジャンク品としての券売機が出品されているのを発見。8×8ボタンという楽器にちょうどよい配置であったことや、価格が相場よりも低かったこともあり、購入を決意しました。

購入した券売機

 元の中身の装置を抜き取った後、ボタン周りの配線の解析や列単位でフルカラーに光るLEDの設置、64個全てのボタンで異なる音が鳴るようにするソフトウェアの作成などの工程を経て、制作にかかった期間はおよそ1か月。

制作中の様子

制作中の様子

制作中の様子

 Xに投稿すると、「めっちゃ触ってみたい」「こういうの好き」と、絶賛のコメントが多数寄せられました。

ボタンごとに色も変化

 現段階では作品は未完成としながらも、その出来栄えについては「我ながら想像以上に迫力があるなと感じています」と、うこさん自身も満足しているもよう。11月4日、5日に開催されたNT東京にて展示を行った際は、実際に見て触った来場者にも大いに好評だったようです。

NT東京での展示

 今後の方針については、「かなり自由度の高いデバイスになっていきそうで、夢がまだここから広がっていく予感です」と、現段階でははっきりと決まっていないようですが、その秘めたポテンシャルにさまざまなアイデアが浮かんでいる様子。今後も改良のタイミングに合わせて、展示会への出展も検討しているとのことでした。

 一方で、外見については「楽器ではなくあくまで券売機」という存在であってもらえるようにしたいと考えており、大きく手を加える予定はないそう。これから作品がどのように進化していくのか、注目が集まりそうです。

<記事化協力>
うこさん(@ukokq

(山口弘剛)