ドラゴンや魔法使いなどを、ダンボールで立体化している「ンボール」さん。

 自身のSNSで9月18日に紹介した作品は、なんと映画「もののけ姫」に登場するタタリ神でした。今にも襲い掛かって来そうなほどの高い再現度で、ダンボールで作ったとは、とても思えません。

 ンボールさんがダンボールで立体物の作品「ダンボールアート」を作り始めたのは、3年ほど前。ダンボールの会社に入社し、新規事業のメンバーに選ばれたのがきっかけでした。

 ダンボールで新しいことを始めようと、ダンボールに関わるありとあらゆることをリサーチ。その時に「ダンボールアート」と出会ったそうです。

 創作や工作などの手先を使った作業が好きだったンボールさん。「自分ができることは、これだ!」と思い、会社の公式SNSを活用して発信を始めたそうです。

 その後、評価されていくにつれてダンボールの魅力にハマり、「自分の好きなキャラクターも作ってみたい」と、思うように。2年ほど前からは個人のSNSアカウントでも、ダンボールアートを紹介し始めました。

■ 子どもの頃に見て衝撃を受けたタタリ神

 タタリ神については、子どもの頃に映画館で観た「もののけ姫」の登場シーンに衝撃を受け、大人になった今だからこそ「あの衝撃を形として表現したい!」と思うように。そして地上波で放送されるニュースを目にした時、創作意欲をかき立てられ作り上げたそうです。

 完成までに10日ほどかかったというタタリ神。独特の質感はダンボールのライナーと呼ばれる表面の紙を巻いて棒状にしたものを大量に作り、それをタタリ神の体に貼り付けます。

 そこからうごめく触手状になるように不規則に曲げ、仕上げにプラモデルを「作る時に使用する黒のウェザリングマスターで陰影を出して作られています。

 苦労したところも、その触手。「いったい何本作ればいいんだ……」と、ひたすら指を酷使していたと振り返ります。

子どもの頃に見て衝撃を受けたタタリ神(Xへの投稿画面)

■ 完成した瞬間は「感無量」

 こだわったのはタタリ神の「おどろおどろしさ」。あえて黒いダンボールを使用せず、立体感や質感を出すために茶色いダンボールを選択。そこに黒のウェザリングマスターを使用したことで、「おどろおどろしさを表現することができた」と語っています。

 さらに手足の内部にはワイヤーが入っていて可動式になっていたり、目玉は発光感を出すためにビニール紐を丸めて使用したりしているそうです。

 完成した時は、「子どもの頃に見たあの衝撃を、この手で表現できたことに感無量だった」とンボールさん。今後はハロウィンも近いので、それにちなんだ作品を構想中とのこと。どんなダンボールアートが完成するのか今から楽しみです。

<記事化協力>
ンボールさん(@NBO26551241

(佐藤圭亮)