一見すると何の変哲もない、ビールケースを積み上げただけの写真が、ツイッターで大きな注目を集めています。写真を見ただけでピンときた方は、きっとかなりのゲーム通!

 そう、これは落ち物パズルゲームの金字塔「ぷよぷよ」における2連鎖のタネとなる「挟み込み」の配置。クリーム色のビールケースをひとつ置けば、たちまち「えいっ!」「ファイヤー!」と聞こえてきそう。

 写真を投稿したのは、ゲームグラフィッカーやデザイナーとして活動するニカイドウレンジさん。ニカイドウさんは散歩を趣味としており、その際発見したビールケースが連鎖のタネになっていないかチェックする、ということをなんと12年も続けています。

 はじめるきっかけとなったのは、もともとニカイドウさんが持っていた「好奇心や探求心」。散歩をしながら、看板や信号機、道端に生えている草に至るまで、さまざまなものを観察する中で、ある時ふと酒屋に積まれるビールケースが目に入りました。

 「縦横に積まれ、奥行きがない場合が多い」「複数の色があり、積まれ方が様々」という、落ち物パズルと同様の性質があることに気付き、それ以来ビールケースを見かける度に、気になって仕方なくなってしまったそうです。こうしたユニークな視点は、さすがゲーム関係者、といったところでしょうか。

 そんなニカイドウさんをして「初めて見つけた」という今回の積まれ方。自然発生的な連鎖のタネを探すという長い長い活動の中、ようやく出会えた感動の瞬間を、写真に収めずにはいられなかったようです。

 しかも、当時はたまたま連休で訪れていたという、旅行先での出来事。ビールケースを観察し続けてはいたものの、これまではそもそも連鎖の形にかすっていることすら稀。もはや諦めかけていたという状況での発見ですから、より一層感激したことでしょう。ニカイドウさんは当時の心境を「一瞬時間が止まりましたね」と表現しています。

 そんな奇跡とも言える光景には、「この後10手くらい、欲しいぷよがこないやつ」「全消ししたらお隣さんにビールの空き瓶がドカドカ降ってくる」など、ゲームファンらからのコメントが多数。投稿には1万件を超える「いいね」が寄せられるなど、多くの方にとって、思わずニヤリとしてしまう状況だったようです。

 こうした反響に対し、ニカイドウさんは「『(2連鎖や3連鎖が)うちの近所にもあった』といった報告はまだ届いてないので、やっぱり相当珍しいことなのかなと改めて思っています」と感慨深げ。

 普段、目を向けないものをよく観察してみると面白い発見があるものですね。もしかすると、あなたの身近にも今回のような「連鎖のタネ」が発生しているかもしれませんよ。

<記事化協力>
ニカイドウレンジさん(@R_Nikaido)

(山口弘剛)