普段は一見さんお断りの花柳界。料亭でしか見ることのできない芸者衆の、粋で艶やかな踊りや芸を見ることができる1年に1度の貴重な機会が「東をどり」ですが、昨年はコロナ禍により中止を余儀なくされていました。

 そんな伝統の舞台「東をどり」の2年ぶりの開催が決定。96回目となる本公演では映像とライブで一流の芸を披露。10月27日・28日に新橋演舞場にて全8公演(各日4回)を予定。チケットは全席指定で税込4000円、桟敷席に「お持ち帰り料亭謹製東をどり弁当」が付いた特別鑑賞券は税込1万円です。

 幕末に興り、近代化の明治に発展した新橋花柳界。一流の芸を磨く新橋芸者の晴れ舞台として、大正14年に造られたのが新橋演舞場。そのこけら落としとして披露された新橋芸者の公演が「東をどり」の始まりです。

 近年は1年に1度、毎年5月に開催されており、演舞場を大料亭に見立て、踊りに料亭の食はじめ、様々に伝わる文化を遊ぶ場として人気を博してきました。

 未だ終息の兆しが見えないコロナ禍の中で開催される96回目の「東をどり」では、新橋花柳界の歴史で初めて料亭を舞台に映像化。

初の映像化

 新橋花柳界に巡る四季を、料亭の広間に小間、竹林や庭、昼の光り、夜の灯りを背景に芸者たちが踊りで表現。演舞場に設置された大スクリーンに芸者たちの美しい姿が映し出されます。

料亭が舞台

新橋花柳界に巡る四季を踊りで表現

尾上流が総合演出を担当

 映像がお披露目された後は、間髪なしで大舞台に芸者衆が勢揃い。いつに変わらぬ口上と新橋芸者の誇りと感謝を込めたフィナーレの踊りが披露されます。

フィナーレは大舞台に芸者衆が勢揃い

 常日頃から芸者たちを指導している花柳・西川・尾上の三流派から、今回は尾上流が総合演出を担当。

 歌舞伎公演や宝塚歌劇団など数多くの作品で振り付けを手掛ける尾上流の家元・尾上菊之丞ならではの美意識が詰まった華やかな舞台に仕上がっているとのこと。またそれを支える西川左近の豊かな経験と花柳寿輔の若き感性が感じられる公演となっているそうです。

 また一つの献立から、「東京吉兆」「新喜楽」「金田中」「松山」「米村」「わのふ」の六つの料亭の違いを競う、酒肴詰め合わせ「酒肴の折」が税込3000円で販売されます。チケット購入後に演舞場サービスへの申し込みが必要で、当日劇場でのお渡しとなるそうです。

 公演は10月27日・28日の11時~11時40分、13時~13時40分、15時~15時40分、17時~17時40分の各日4回、全8公演を予定。前売りは9月10日より開始となります。

チケット

 なお10月27日・28日にお披露目される映像に、新橋演舞場の舞台での芸者衆勢揃いのフィナーレが加わった映像が今冬配信予定とのこと。詳細は決まり次第改めて発表されるそうです。

※吉兆の吉はただしくは「土」の下に「口」のつちよしです。

情報提供:東をどり広報事務局