最近の若い子は背が高い子が多いんだなぁ、とアラフォーおばさんは学校帰りの女子学生を見て思う事がありますが、一方、その中に混じって背の低い子もチラホラ。

 そんな低身長さんが抱える共通の悩みは、「背が低くてつり革につかまれない!」こと。その中のひとりの低身長さんの心の叫びに共感が殺到しています。

 「私は、高校三年生にして身長145cmです。電車中の出来事です。身長が低ければ吊革を掴むことがギリギリです。ましてや背伸びしなきゃ届かない時があります。背伸びまでしてつり革掴むことはさらに不安定になります。でも、何かしらに掴まないと電車の揺れで転けたりします」

 「転けるのを防ぐためにも、転けて皆にも迷惑かけないためにも掴むところが低い場所(椅子と椅子の間の棒、椅子の角についてる手摺)ここを身長が低い人優先で掴ませてください。掴めるならばつり革を掴みたいです。でも届かないんです。つり革掴むと不安定になるので何処も掴めない時は、コケないようコケないよう頑張ります」

 「だから身長高い方お願いします。つり革優先で掴んで欲しいです。低いところは低身長に掴ませてください。ほんとにお願いします。低身長が良くて低身長になったわけじゃないんです。お願いします、皆に届くように」

 と、拡散を希望して数ツイートにかけて低身長ゆえの悩みや困り事をツイッターに投稿したのは、女子高生のとーふさん。

 電車やバスで毎日通学していると、決まった時間に決まった電車やバスに乗ることになります。しかし、大概そんな時間は混雑している時間。低身長さんから見ると、周りは人の壁だらけ。そして手すりにつかまれない時はつり革にも手が届かずコケないように踏ん張るしかないのですが、揺れやカーブなどではやはり体勢が崩れて誰かにぶつかってしまうことも。盛大に体勢が崩れたときには誰かに怪我をさせてしまうことも考えられます。

 そんな状態の中で毎日過ごしていると、自分の身を守りにくい状態にストレスを感じるようになりますし、何より周りに対する緊張感で疲弊してしまいます。そして、この一連のツイートを目にした人からは、様々な意見が。

 「厚底の靴を履いてもバランス崩しやすいから棒につかまっていたい」「同じく低身長なので共感しかない」「低身長だからつり革つかまると腕がピーンとなってつらい」「分かりみしかない」という共感がとても多い中、「それなら自分の腕を貸します」「服につかまってもいいよ」といった「自分につかまりなよ」な人、逆に身長が190cm以上の人からは、「背が高いゆえに吊り広告が邪魔すぎる」という声も。

 中には「体幹を鍛える良いチャンス」というアドバイスもありますが、混雑していると体幹を鍛える姿勢が取りづらい時もあります。「もう少し長いつり革があるといいのにね」「手すりやつかまる棒が増えるといいのに」と、交通機関に配慮を求める声も。

 他にも、体質や体調で腕を伸ばせない、伸ばすと気を失いそうになる、足が良くないのでつり革につかまれない……などといった、低身長以外の理由でも低いところにつかまりたい、という声も出ています。

 中には「背が低い子ってかわいい」という声もチラリとありましたが、この多くのリプライにとーふさんは、可愛いと言われたいわけではなくて本気で困っているので、多くの人に知ってもらいたいとしつつ、コケないように頑張るけど、身長がある人はつり革優先でつかんで欲しい、低いところは低身長につかませて欲しい。低身長以外にも様々な理由で低いところにつかまりたいのにできない人もいるし、低身長が良くて低身長になったわけじゃない、と改めて声をあげています。

 身長が平均以上ある人からすると、確かに低身長さんはあまり目に留まらない上に、乗客同士がお互いの周囲を気にしている人って、少ないと思います。中には、「低い位置で掴むところがなく電車が揺れて人に当たったりすると怒ってきたり、睨んできたり、そんな人がいます。正直いって怖いです」とーふさんのツイートにあるように、どこにもつかまることが出来ないゆえに怖い思いをしている人も多くいると思います。

 この話を編集部内でしていたら、どこかから「『身体につかまってるんだよ』とか、自然と腕とか胴に手を回してつかまってくるのは、低身長が好みの自分にとってはご褒美以外のなにものでもないという瞬間ですね」(声の主は男性)なんていうセリフが出てきて、(あーハイハイ)と思いつつも、身長差と性格がマッチングするとある程度の解決にも繋がるのか……などと変に感心してしまったのはここだけの話。

 学校が同じで身長差がある人と付き合えばそういうこともまぁ不可能ではないにしろ、やっぱり毎日のことなので、そう都合よく行くこともないし、むしろあったらいいな~という感じ?そしてそんなカップルを見かけて妬みを感じる人らからは、「このリア充め!」と思われることになりそうですが、それこそ周りのことなど知ったこっちゃない、な状態でしょう。

 若干話が脱線しましたが、混んでいる時は特に周囲よりも自分を混雑から身を守る為に誰もが精いっぱいで周りを観察できる余裕はないかもしれません。筆者は子どもたちが小さい頃によく地下鉄で出かけることもありましたが、帰りの地下鉄は土日の夕方も結構な混み具合。なので、よく混んでいる電車に乗る時に、「すみません、子どもたちにここ(棒や手すりなどつかまれる場所を指して)つかまらせて下さい」と他の乗客にお願いしたものです。

 今では若干チビ気味の筆者を追い越して大きくなった子どもたちなので、もうそんなことはなくなりましたが、やはり周りの配慮を待っているだけでは伝わらないのも事実。座席の空き具合が微妙な時には、疲れた子らに「あんたたちここに座っておきなさい」と指示すると、母である私の分まで席をずらして空けてくれることもよくありました。周りに知ってもらうことで得られる配慮もあるのです。

 色々余裕のない混雑した車内でも、ひと言「つり革につかまれないのでここつかまっていいですか?」と聞くのも有効でしょう。交通機関の方面にもつかまれる位置が低い部分をもっと多く設けて欲しいと思いますが、お互いが声を掛け合って少しの思いやりで解決することも多いものです。つい遠慮してしまいがちな、こういう声かけですが、困ったままよりもマシですし、自分の身を守る為にも必要なので、低い位置につかまりたくてもつかまれず困っているは、積極的に声を出していきましょう。言われてすぐに配慮してくれる人、意外と多いと思いますよ。

<記事化協力>
とーふさん(@Tofucyan03)

(梓川みいな)