人気声優の緒方恵美さんが9月19日、自身のツイッターで一晩入院していたことを明かしています。

 翌20日のツイッターで、19日のツイートを引用する形で、「実は深夜の突然のアナフィラキシーで、ひと晩入院していました。原因は検査中。迷わず救急車を呼ばないと…だそう。皆様もその際は迷わず」とツイート。

 続けて「寝ていたら突然ザワッとして目が覚め、みるみるうちに全身蕁麻疹。耳が塞がり聞こえ辛く、瞼も腫れ、喉が詰まって呼吸が苦しくなった時点で家族を起こし、救急車を呼びました。夕食も早めで原因不明。退院した今も浮腫が。黙っているつもりでしたが、突然そうなる人はいるそうで…注意喚起的呟き」と、その時起こった症状をツイートしています。

 そして、「『救急車を迷わず呼んでくれて良かったです』と看護師さんに言われました。そのくらい危なかったのだそう。以前にも夜中に蕁麻疹が出たことあったけど、その時は冷水シャワーを浴びているうちに引いたのでそのまま休み、翌日医者に行ったら、『次はすぐに救急車!』と言われたので、でした…(ホッ」と、かなり危険度が高かった様子も併せてツイート。

 投稿を見たファンからは、緒方さんを気遣い案じるコメントが次々と寄せられています。

■ アナフィラキシー反応と4つの型のアレルギー

 アレルギーによるアナフィラキシーショックが命に危険が生じるということは、多くの人の知るところとなりましたが、実はアレルギー反応にはアレルゲンに感作してすぐに症状が発症するものと、数時間~1日くらい経過してから発症するものがあります。

 アレルギー反応自体、かゆみや蕁麻疹程度でしばらくしたら治まるものから、咽頭の粘膜が強くむくんで息ができなくなる、急激に血圧が低下する、意識が混濁するなどの生命の危機的状況となるアナフィラキシーショックまで、様々な病態を示します。

 そのうちよく知られているのが、即時型・アナフィラキシー型と言われている1型反応。食物アレルギーなどに多いこのアレルギーは、劇的な症状の悪化もあるので、アレルギーと診断されてアナフィラキシー症状が出やすいと診断されると、「エピペン」というアナフィラキシーを即時に抑える自己注射薬を処方されます。しかし、これはアレルギーが何から引き起こされるか明確に診断できたときに処方されるもの。

 ちなみに、花粉症やアトピー、気管支喘息などは1型に含まれます。1型は体内に存在するIgEという抗体が過剰反応することによって発症します。

 2型と呼ばれるものは、主に薬剤が作用したり、自己免疫が作用したりするものが多く、不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病といった血液の病気が多く存在しています。

 3型は、細菌、薬剤、異種タンパクや自己抗原変性IgG、DNAなどが主な原因。その中でも食物に含まれる異種タンパクがアレルゲンとなることもあります。3型はアレルゲンとなるものが体内に入ってから3~10時間くらいで発症する遅発型であり、1型とは違ってIgGやIgMという抗体が反応することで発症します。

 4型は、遅延型アレルギー、細胞性免疫、ツベルクリン型とも呼ばれており、1~3型とは違って抗体は感作T細胞が原因となります。抗原を注射後、24~72時間で最大の紅斑と硬結が見られる遅発型です。

■ 大人でもいつ起こるか分からないアナフィラキシー

 アレルギーによる疾患は子どものころから、という認識が強いかもしれませんが、大人になってから突然発症することもあります。花粉症などが良い例かと思います。緒方さんの場合も、遅発型アレルギーのひとつと考えられますが、症状の出方がアナフィラキシー症状であるため、何が原因かを早めに突き止めておく必要があると考えられます。

 現在、原因を探っているようですが、同様なことが起こらないようにする為には原因となるものを除去することが何より大切です。緒方さんのアレルギーの原因が早くわかる事を祈りつつ、もし、同様の症状が出た時は皆さんも迷わず救急車を呼んでくださいね。アナフィラキシー症状は命にかかわりますから。

<出典・引用>
緒方恵美さん(@Megumi_Ogata)
厚生労働省 アレルギー総論(PDF)
※画像は緒方恵美さん公式Twitter(@Megumi_Ogata)のスクリーンショットです。

(梓川みいな/正看護師)