アメリカ海兵隊システムコマンドは2019年7月16日(アメリカ東部時間)、M40に代わる新しいスナイパーライフルMk13Mod7が完全作戦能力を獲得したと発表しました。1966年以来、海兵隊で使用されてきたM40ライフルは、ついに主力の座を譲ることになります。

 アメリカ海兵隊は、7.62×67mmの実包を使用するボルトアクション式スナイパーライフルとして、長年レミントン製のM40シリーズを改良しながら使い続けてきました。最初に実戦投入されたのはベトナム戦争。以来、各地での戦訓を取り入れて改良が重ねられ、現在はM40A6が使用されています。

 新たなスナイパーライフルとして採用されたMk13は、イギリスのアキュラシー・インターナショナルが開発したボルトアクション式ライフル。様々なストックやレシーバーと組み合わせることのできる、独特な「シャーシ・システム」を採用しており、ユーザーによるカスタマイズの自由度が高いのが特長です。

 アメリカ海兵隊は2018年4月、Mk13Mod7の採用を決定。先行して第1海兵遠征軍(I MEF)や第3海兵遠征軍(III MEF)などで実践テストを実施してきました。Mk13はM40シリーズと同じ7.62×67mmの実包を使用しながら、有効射程はM40より30%遠い1300mを実現しています。

 また、このMk13にはM571光学照準器がセットされ、従来より明るく明瞭な視界を射手に提供します。海兵隊システムコマンドでMk13プロジェクトを担当するニック・バーガー大佐は「我々のスカウトスナイパーは、従来より遠い地点から決定的な打撃を与えられる装備を手にしました。どんな相手に対しても良い対応ができます」と語っています。

 海兵隊の歩兵チームを率いるマイク・ブリスカー大尉は「Mk13は、弾道が低進する距離が延びています。M40A6より長距離でも、十分な性能を発揮してくれます」とMk13の性能を評しています。従来より長距離での狙撃が可能になることで、海兵隊のスカウトスナイパーは生残性が向上するため、今後Mk13はスナイパーにとって心強い相棒となるでしょう。

<出典・引用>
アメリカ海兵隊 プレスリリース
Image:USMC

(咲村珠樹)