世界中に展開し、活動するアメリカ海兵隊。その新兵に対する教育訓練は、非常にハードなことで知られており、海兵隊員としての基礎が養われます。

 教育訓練が行われるカリフォルニア州のサンディエゴ練兵訓練施設には、厳しい教官だけでなく、訓練を見守るマスコット犬、マニー上等兵も在籍しています。

 マニー上等兵のフルネームは、ジョニー・レイ・マヌエリト・シニア。

 これは第二次世界大戦でナバホ族の言葉による暗号「ナバホ・コード」を使うため、サンディエゴ練兵訓練施設で最初に訓練を受けたナバホ族兵士29名の1人、ジョニー・レイ・マヌエリト・シニア軍曹にちなんだものです。

 オスのイングッリッシュ・ブルドッグであるマニーが「入隊」したのは、生後10か月だった2019年5月24日のこと。アメリカ海兵隊では勇猛さや闘志の象徴として、伝統的にブルドッグをマスコットにしています。

アメリカ海兵隊サンディエゴ練兵訓練施設のマスコット犬マニー上等兵(画像:USMC)

 海兵隊の精神を体現する存在として、さまざまな活動に従事するマニー上等兵。入隊してくる新兵たちに手本を示すことも任務のひとつです。

 海兵隊に入隊すると、まずは身体測定が行われます。「このように動かず、測定するんだ」と、身長測定のお手本を示すマニー上等兵。落ち着きはらった態度は、新兵たちの緊張を和らげるのに一役買っているようです。

身長測定するマニー上等兵(画像:USMC)

 海兵隊の訓練は、体力錬成とチームワークの育成が主眼となります。チームワークを錬成するために行われるのが、長い丸太を10人以上で担ぎ、行進するように運ぶ訓練。担いでいる全員の歩調が合わないとバランスを崩してしまうので、見ただけでは分からない難しさがあります。

丸太運びに並走するマニー上等兵(画像:USMC)

 海兵隊の先輩として、厳しい訓練に臨む新兵たちを見守るマニー上等兵。表情豊かなマスコット犬のもと、新兵たちは一人前の海兵隊員に育っていきます。

<記事化協力>
在沖海兵隊 第三海兵遠征軍(@IIIMEF_JP)
画像:USMC

(咲村珠樹)