任務中の事故や交戦などによって障害者となった軍人・軍属によるスポーツの祭典「ウォリアー・ゲームズ」が2019年6月22日(現地時間)アメリカのフロリダ州で開幕しました。

 いわば「軍人版パラリンピック」というこの大会は、アメリカ軍のほかイギリス、オーストラリア、カナダ、デンマーク、オランダから約300人の障害者アスリートが集まり、熱戦を繰り広げます。

 障害を負った軍人・軍属のリハビリと社会復帰を後押しするため、アメリカ国防総省の主催で2010年から始まったウォリアー・ゲームズ(Warrior Games)は、毎回アメリカ各軍からホスト役が選ばれます。2019年のホストとなったのは、最も厳しい任務を担当するアメリカ特殊作戦コマンド(SOCOM)。


 フロリダ州タンパで開催された開会式には、アメリカ陸海空軍、海兵隊、特殊作戦コマンドのほか、イギリス、オーストラリア、カナダ各国軍の代表チームが参加。デンマークとオランダは合同チームとしての出場です。









 聖火はアメリカ特殊作戦コマンドのジャリド・コリンズ1等軍曹が点火。そしてアメリカ陸軍のルイス・アヴィラ大尉がアメリカ国歌を独唱しました。



 司会を務めたコメディアンのジョン・スチュアートさんは「ウォリアーゲームへの参加に感謝します。きっと素晴らしい競技が展開されるでしょう。選手の皆さんはこの決戦の地の雰囲気を存分に楽しんでください」と選手たちを迎えました。

 選手たちは怪我や病気によって障害者となった軍人や軍属。これには退役した人、脳機能障害、ストレスによる精神障害を負った人も含まれます。

 大会では、アーチェリー、自転車、射撃、シッティングバレーボール、車いすバスケット、水泳、陸上など11の競技が行われます。今回新たに加わったのは、インドアローイング、パワーリフティングのパワー・瞬発力系競技と、自転車競技のタイムトライアル。団体競技は男女混合です。



 選手たちが障害者となった経緯は様々。リハビリ途上の選手もいれば、障害が確定して日常生活に復帰している選手もいます。軍に在籍していたり、退役して新たな道を進み始めた選手も。この辺りはパラリンピックと変わりません。

 2019年のウォリアー・ゲームズは6月22日~30日の期間で開催され、各競技で熱戦が繰り広げられます。出場選手の中には2020年の東京パラリンピックに出場する有力選手もいるので、今からチェックしておくのもいいですよ。各選手のプロフィールや競技日程などは公式サイトに掲載されています。競技のライブストリーミングも実施されています。

<出典・引用>
ウォリアー・ゲームズ2019 公式サイト
Image:U.S. Department of Defense

(咲村珠樹)