2018年11月19日、アメリカ国防総省は航空自衛隊向けの無人偵察機RQ-4グローバルホーク3機をFMS(有償軍事援助)の形式を使い、総額4億8992万4430ドルでノースロップ・グラマンに発注したと発表しました。これはグローバルホーク3機のほか、操縦装置が2セット、そして補修用のスペアパーツや要員の教育プログラム、全般的なサポート契約も含まれます。

 アメリカ政府の「FA8620-18-C-1000 PZ0004」として発注された3機のグローバルホークは、最新鋭のブロック40ではなく、2011年8月に初度作戦能力を獲得したブロック30の性能向上型である、ブロック30iと呼ばれるもの。可視光線や赤外線などのセンサーやレーダー、ASIP(航空機搭載信号情報収集)機材を装備し、偵察だけでなく気象観測や測量、災害時の被害調査などにも使用できるようになっています。

RQ-4ブロック30(画像:Northrop Grumman)

RQ-4ブロック30(画像:Northrop Grumman)


グローバルホークによる船舶の赤外線画像(画像:Northrop Grumman)

グローバルホークによる船舶の赤外線画像(画像:Northrop Grumman)


グローバルホークが捉えたサンディエゴの森林火災の様子(画像:Northrop Grumman)

グローバルホークが捉えたサンディエゴの森林火災の様子(画像:Northrop Grumman)

 RQ-4グローバルホークは通常、離着陸担当パイロット、飛行中のミッション担当パイロット、センサーオペレーターの3人で運用されます。自衛用にAN/AVR-3レーザー警報受信機、AN/APR-49レーダー警報受信・妨害電波発信機、ALE-50曳航デコイなどが装備されています。

アメリカ空軍のRQ-4グローバルホーク・ブロック30(画像:Northrop Grumman)

アメリカ空軍のRQ-4グローバルホーク・ブロック30(画像:Northrop Grumman)

 製造はカリフォルニア州サンディエゴにあるノースロップ・グラマンの工場で行われ、オハイオ州ライト・パターソン空軍基地で運用試験を行ったのちに引き渡される予定。2022年9月1日までに全機の製造が完了する予定となっています。

Image:Northrop Grumman

※初出時、グローバルホークの発注数をタイトルと本文で4機としているか所がありました。訂正しお詫びいたします。

(咲村珠樹)