レッドブル・エアレース2018第3戦千葉大会の予選は、マイケル・グーリアン選手がトップ。2位にカービー・チャンブリス選手が入り、アメリカ勢のワンツーとなりました。母国3連覇がかかる室屋義秀選手は3位。5月27日の決勝は小さくした垂直尾翼を元に戻し、ラウンド・オブ14で同じ2009年デビュー組のマット・ホール選手を迎えうちます。

 海からの強風に苦しめられた25日とは一転、柔らかい風の吹くセッションとなった26日の予選。風向きもいつもの南ではなく、東(ハイGターン側)からとなりました。風が穏やかな分、タイムが接近して細かなミスが大きく順位に影響しました。

 そんな中、予選トップとなったのは、現在年間ランキングトップのマイケル・グーリアン選手。2回目のタイムアタックで、ただひとり56秒を切る55秒424をマークしました。


 2番手は56秒058でカービー・チャンブリス選手。アメリカ人パイロットがワンツーとなりました。かつてチャンブリス選手と故マンゴールド選手(元アメリカ空軍のF-4ファントム乗り)が交互に年間チャンピオンになる時期がありましたが、その頃を思い出す結果です。

 3位には室屋義秀選手。56秒403のタイムで、昨年同様まずまずの順位につけました。

 第2戦カンヌ大会の覇者マット・ホール選手にミスが出て、ペナルティは受けなかったもののタイムを失って57秒459と予選12位に沈んだため、室屋選手は27日の決勝、ラウンド・オブ14でいきなりホール選手と対戦です。とはいえ、2人の差は1秒未満なので、少しのミスで逆転を許してしまいます。

 このため、室屋選手は勝負に出ることにしました。空気抵抗が小さくなり、スピードが出やすい分、不安定になり操縦が難しい小さな垂直尾翼から、2017年と同じものに戻して戦うことにしたのです。

 また操縦感覚のバランスが崩れるリスクもありますが、より姿勢を安定させる方向にして、ミスを少なくしようという賭けです。

 とはいえ、ペナルティを受けなかった場合のタイムで見れば、マーフィー選手を除く13人が2秒程度の差に収まる僅差の争い。決勝は何が起こるか判りません。

 勝利した2017年と同じ状態に戻す判断が吉と出るか凶と出るか。その結果は、また強く吹きそうな海風だけが知っています。

(咲村珠樹)