筆者たちレッドブル・エアレースのジャーナリストが詰めているメディアセンター。それは空で戦いを繰り広げるパイロットと好対照の「戦場」です。とはいえ、長年取材しているジャーナリストにとっては、和やかな雰囲気も漂う空間です。

 自動車のF1シリーズのことを、世界中を旅して回ることから「F1サーカス」と表現することがありますが、レッドブル・エアレースも世界中をサーカスのように回っています。だからという訳ではありませんが、メディアセンターもテント張りのプレハブです。飛行機のエンジン音は直で響いてきます。


金曜日から取材に来るメディアは、筆者を含め長年にわたって追いかけている人ばかり。そのためメディアセンターは結構和やかな空気。NHKの解説を務める能勢雄一さんは、和服で取材をしたりしています。これが海外のパイロットに大好評。

 現在、メディアセンターは報道陣が多いため、ほぼ全部が記者会見場となっています。機材収納ロッカーは外のテント。打合せ用スペースも最小限です。

 ところが、日曜日の決勝となるとメディアが大勢集まります。2015年からするとおよそ4倍以上。実はもっと取材申請があるそうなんですが、メディアセンターの収容人数に限りがあるので、やむなく制限せざるを得ないとか。海外取材もするメディアによると、メディアの取材が一番熱心なのは日本だそうですよ。

 空を舞台するスポーツなので、天候によって予定が変わります。その都度新しい予定表が配られるのですが、なかなか間に合わないことが多く、一番確かなのはホワイトボードに書かれた予定表。


 合わせてリザルトボードも勝負の進行に応じて更新されます。

 こんな感じで我々メディアは「地上の戦場」で日々活動しているのです。

(咲村珠樹)