マイコプラズマ肺炎が「大流行中」となっています。国立感染研究所の発表資料よると医療機関あたりの患者報告数が10月中旬の1週間(10月17日~23日)で統計以来の同時期では過去最多となっているようです。翌週からは一旦その数を減らしていますが、例年であればピークはこれから。

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 マイコプラズマ肺炎が怖い理由の一つに、症状が長引きやすいこと、重症化すると命にかかわることがある点が挙げられます。感染経路は飛沫感染ですが、接触する家族間での感染が多いそうです。患者の8割が14歳以上の子供で、乾いた咳がどんどん強くなり長引くことが特徴的。長引く発熱や全身の倦怠感があり、中耳炎や無菌性髄膜炎、脳炎などを併発し重症化することもあります。

 また、近年マクロライド系の抗菌薬に耐性を持つ菌が2000年頃から増え始めていることも怖い理由の筆頭に挙げられます。それが効かなければ別の薬を使えばいいのでは? と思うかもしれませんが、マイコプラズマ肺炎に聞く抗菌薬の場合、等に子供に対して副作用の心配があるそうです。この抗菌薬が効かないから別のものを使うということを繰り返すと、どんどん耐性菌が増えていくことも懸念されています。

 感染から発病までの潜伏期間は2~3週間。インフルエンザが1週間ほどなので、忘れた頃に発病する可能性があります。不顕性感染といって感染しても発病しない場合もありますが、特に体力が低下している人はマスクをして外に出ること、手洗いうがいをこまめにするなど、まずは感染しないよう心掛けることが大事かもしれませんね。

(文:大路実歩子)