秘密結社と聞くと最初に思いつくのが『フリーメイソン』。最近では、日本で2014年に始動した『フリーソーメン』が一時世間で話題になりました。
あ、言っときますけど後者は「無料で素麺を配る」団体さんです。

さて、その秘密結社。世界的有名なフリーメイソンは16世紀後半から17世紀初頭頃より活動をしているとされる歴史ある組織。
そして活動内容については「世界各地で暗躍し政財界の裏側を牛耳っている」など主に陰謀論で人々から注目を集めることがしばしばです。でも実のところは世のため人のために活動している友愛団体。慈善活動に積極的で割とオープンに活動しています。

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光さす空

しかーし、日本には『フリーソーメン』だけでなく、『フリーメイソン』よりもっと古い歴史をもつ……と言われる、現代につづく世界最古の秘密結社があるそうなんです!(本当にあるかは不明)

■世界最古の秘密結社

熊野本宮大社の八咫烏

その組織は『八咫烏』と呼ばれています。八咫烏と言えば、初代天皇・神武天皇が東征をする際に、熊野(和歌山)から大和(奈良)へ抜ける道があまりに険しかったことから、古事記によると高御産巣日神より遣わされ先導したとされる伝説の大カラス。

咫とは昔の長さの単位。そのため、1咫(親指と中指とを広げた長さ/約18cm)×8=約144cmの大きさだったのではないかと言われています。他にも特徴として三本足を持っているそうです。

その八咫烏。今では和歌山県にある熊野本宮大社のシンボルとして有名ですね。主祭神・家津美御子大神(現代において正体は素盞鳴尊と言われているが、実のところ正体不明とも言われる神)に仕えているとされ、昨今ではサッカー日本代表チームのシンボルマークとしても親しまれています。

■実在するの?あまりに突飛で謎多き存在

存在や内容について正直あまりハッキリとしたことは分かっていません。
これからお話すること含め、あくまで「噂レベル」の話ということをご理解ください。

始まりは神武天皇が初代天皇に即位するタイミングであったり、聖武天皇の時代であったりとバラバラに言われています。
ちなみに神武天皇即位の時説では、神武天皇よりも先に大和を支配していた物部氏が国譲りをする際、八咫烏となり配下に入ったなんて話があるようです。

ただどちらにせよ共通してあるのは、その存在が「裏天皇である」という説。

■裏天皇

八咫烏は最高位の「大烏(通称:三羽鳥)」3名、上位組織の「十二鳥」12名で構成され、その下にも何十名かいると言われています。十二鳥に大鳥が含まれるか、別々なのかは不明。

大鳥の3人は3人1組で「金鵄」とよばれ、ここで言う「裏天皇」に当たる存在だそうです。金鵄=裏天皇ですね。

金鵄は日本書紀に登場する伝説の鳥。神武東征で神武天皇が長髄彦と戦っている際に天皇の弓に止まり、強烈な光を放ち相手の目をくらまして勝利に導いたとされています。古事記の八咫烏と登場場面がにていることから、この二つの鳥は同一視されることも多いです。

そして、八咫烏はそもそもが「太陽の化身」。体にすると全体が「太陽」、三本の足は左から「人・地・天」の意味を表すと言われています。

そう考えると「八咫烏は天皇=太陽を支える三本の足」ということなのでしょうか。それとも「裏天皇」と呼ばれるだけあり、実は一体?

■八咫烏の役割

八咫烏の主な役割はと言うと、祭司の仕切りや天皇の代わっての儀式遂行。国家安泰を願い、日々国のために祈りをささげるのが役割。しかし、かつては政治的動きをしていたなんて話もあるみたいですね。

参加しているメンバーは、神道、宮中祭祀、仏教、陰陽道などに長けた人物ばかり。
「メンバーになると戸籍がなくなり何者でも無くなる」なんて話もあるようですが、八咫烏に詳しい人物に聞いたところによると、現代においてはそんなことはないそうです。
ただし上記以外にも「政治、経済、医学、生物、科学など」幅広い知識がメンバーには求められ、一度八咫烏になると、一生一員として過ごすのが掟。
欠員が出た時に新しくメンバーが追加される仕組みですが、メンバーの身内もしくは、メンバーが幼少から育てた養子などごく近い人物に限られるとか限られないとか。そして現在でも年数回ほど関東と関西の神社に集まっては何事か話し合っている……と言う話でした。

よく噂では「日本の真の支配者」なんて言われているみたいですが、本来は宗教的サポートが主なようなのでかけ離れた存在な気がします。
一部では日ユ同祖論に絡めて話しが膨らんだりもしているみたいですが、「裏天皇」とは第三者が勝手にそうよんでいるだけで、本来は「国家安泰」を願う人々というのが真の姿のようです。とはいえ、本当に存在するか自体が不明ですが。

でももし存在するならばワクワクしますよね。人知れず国家安泰を祈り続け、天皇を裏から支える存在。個人的には本当にいて欲しいなー。と願うところです。
あ、でも今度、メンバーという方には会ってきます。どうなることかわかりませんが……機会があればまた続きを。

(文:宮崎美和子)