Xにて「爪痕残してきました……w」とつぶやいたのは、京都を拠点に仏像制作・修復等を行う仏師の「宮本我休」さん。

 投稿に添えられた写真を見ると……そこにはゲレンデの中にそびえ立つ、巨大な仏像の頭部が。この雪像……もしや!

 そう、これは宮本さんが家族旅行でスキー場を訪れた際に制作したもの。4歳の娘さんと雪遊びをしていましたが、そのうちひとりで遊び出してしまい、手持ち無沙汰になってしまったため、近くにあった大きな雪のかたまりに造作してみることにしたのだそう。

大きな雪のかたまり

 つまり、その場の思い付きであったため、雪を彫る道具などはなにも持ち合わせておらず。素手による文字通りの”手作業”で、素早く彫り進めることおよそ15分後、雪原に巨大な仏の頭を出現させて見せました。

京仏師 宮本我休さんの投稿

 雪で像を作るのはもちろん初めての宮本さんでしたが、そのクオリティはさすが現役の仏師。普段の工程と比較すると思ったより造作はしやすく、道具さえあれば完成度は上げられるな……など考えながら作業を進めていたのだとか。

 顔がある程度出来上がり、続けて頭の”らほつ”を作ろうとしたところで、あたりがザワつきだしたので、やむを得ず以降の作業は断念。気持ち半ばでその場を去ることになったそうですが、後から見た人はさぞ驚いたことでしょう……。

 作品の出来栄えについてうかがうと「全然ダメですね」と辛口評価の宮本さん。素人目には十分すぎるほどですが、やはり道具がなかったことや時間が限られていたことに、悔いが残っているようです。

 しかし、「これだけ話題になるなら、来年は道具持っていって本気で挑もうかと(笑)」と、今後の意気込みも。来年の冬は、さらにグレードアップした雪の仏像が拝めるかもしれませんね。

 なお、宮本さんの仏師としての活動は、Xの他、YouTubeInstagramホームページでも発信中です。学生時代に服飾技術を学んだ経験を活かし、独自の衣紋表現を追求する宮本さんの仏像、仏具もぜひご覧ください。

<記事化協力>
京仏師 宮本我休さん(@Gakyu_Miyamoto

(山口弘剛)