日本庭園などで、植え込みや道の縁取りとして植えられているリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)。細い常緑の葉が印象的な草ですが、青くきれいな実をつけることはご存知でしょうか?

 身近な草花を使った、簡単で楽しい草花あそびを紹介している「New草花あそび研究所」所長のinoriさんが、リュウノヒゲの実を使ったかわいいアクセサリーなどの草花あそびをTwitterに投稿しました。

 日本原産の常緑多年草であるリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)。野山に自生しているほか、葉が短くなるよう品種改良された「玉竜(タマリュウ)」などの園芸品種も売られており、環境に良く適応することから都市部のビルでも庭園や植栽のグランドカバーに用いられています。

 主に緑の葉を愛でるリュウノヒゲですが、夏になると白くて小さな花を咲かせ、晩秋から冬にかけて直径1cm弱の実(正確には種子)を結びます。「竜の玉」とも呼ばれるその実は、熟すにしたがって鮮やかな青色を呈し、まるでラピスラズリのよう。

リュウノヒゲの熟した実とラピスラズリの対比(inoriさん提供)

 見ているだけでも美しい実ですが、inoriさんは熟しつつある緑〜白と青が混じったような色合いの実を「地球のよう」と表現。確かに、緑や青に雲の白が混ざった微妙な色の重なりは、宇宙から見た地球のようにも見えますね。

未熟なうちは地球のような色合い(inoriさん提供)

 クリップを少し加工して刺してみると、これだけで小さな地球儀みたい。透明感も感じられ、いつまでも覗き込んでいたくなります。

クリップを刺して小さな「地球儀」に(inoriさん提供)

 よく熟し、瑠璃(ラピスラズリ)色になった実は、アクセサリーを作っても楽しい、とinoriさん。細くて丈夫なリュウノヒゲの葉を使い、指輪やちいさなペンダントが作れます。

 指輪は爪で2か所、葉を通す穴を開け、そこから表皮と大きな胚乳の隙間を通すような感じで葉をもう一方の穴まで通します。先端より根元の方がより固いので、根元の方から差し込んでいくとうまくいきます。

 「指の太さの輪にして、結んでもいいのですが、もう一度差し込む方が簡単かと思います」

 また、これを連続して数珠繋ぎにし、小さなネックレスを作るのもいいですね。葉を編み込んで中に実を入れ、ペンダントヘッドを作ることもできます。

リュウノヒゲの実を使ったアクセサリーいろいろ(inoriさん提供)

 編み込むのはちょっと大変、という方には「ハングマンズノット」という調節できる輪を作る結び方で、ペンダントヘッドを作る方法をinoriさんは紹介しています。

ハングマンズノットで実を固定したペンダントヘッド(inoriさん提供)

 まず大きく輪を作り、片方の先端部を小さな輪を作って折り返します。折り返した先端部をクルクルと数回重なった葉に巻きつけ、先端を先ほど作った折り返し部の小さな輪に通します。

大きな輪を作り先端を折り返す(inoriさん提供)

先端部を折り重なった部分に巻きつける(inoriさん提供)

先端を折り返し部の小さな輪に通す(inoriさん提供)

 巻きつけた部分をしごき、葉を通した小さな輪を締め上げれば完成。大きな輪は、結び目をスライドさせることで大きさを調節できるので、実を中に入れて動かないよう締め付けてやるとペンダントヘッドの完成です。

結び目の完成(inoriさん提供)

 胚乳部分はゴムのような弾力性があり、スーパーボールと同じように弾みます。この特性を使ったあそびも楽しそうですね。

 このほかにも色付いた紅葉の葉で赤とんぼを作ったり、イチョウの葉でうさぎさんを作ったりと、inoriさんはTwitterで草花あそびを紹介しています。画像だけでなく、動画で作り方も解説しているので、参考にすると素敵な作品が作れますよ。

<記事化協力>
inoriさん(@kusabanaasobi)

(咲村珠樹)