「渋谷スクランブル交差点」といえば、東京を代表する街並みのひとつ。これをジオラマで再現したクリエイターの投稿が、Twitterで反響を集めています。

「スクランブル交差点完成です!
大学生の時から作り始め、1年以上の制作を続けてきたジオラマがついに完成しました。

制作協力者様
ガレージT様(@GARAGE_T164): 道路、ビル看板のデザイン
ミニチュア人形のYFS様(@yfs_figure): 人形1000体の提供

#渋谷スクランブル交差点再現プロジェクト」

 Twitter上で作品を公開したのは、「Cityscape Studio」という屋号でものつくり活動を行っているCityscapeさん。東京や大阪といった大都会の街並みや、道路・鉄道などの風景をジオラマで再現している人物です。

 「自分好みの風景をジオラマにすることで、様々な角度からそれを眺めることが出来ることですね」

 そう魅力を語るCityscapeさんですが、今回「渋谷スクランブル交差点」を題材に選んだ理由は、大学の友人からのリクエスト。

 「象徴的な存在なので、以前から作ってみたいと考えていたんです」という自身の思いもあり、「正確なスケールかつ、現実的に作れるサイズの『渋谷スクランブル交差点』」という作品コンセプトのもと制作。

「800mm×450mm×400mm」の大きさで渋谷スクランブル交差点を再現。

 TSUTAYAやスターバックスコーヒーが入居するビル「QFRONT」、大盛堂書店、三千里薬品、天津甘栗などのテナントに、屋外広告、道玄坂・センター街・公園通りなどに通じる道路、そして交差点に集う群衆と、JR渋谷駅西口前に面する一帯を、「800mm×450mm×400mm」の空間内で克明に再現しています。

渋谷ですが、馴染みのスポットが「目白押し」。

 さらに、信号機・街路樹・道路標識・山手線車両・東京メトロへの通路・その他車両などなど……渋谷スクランブル交差点を中心にした景色を漏れなく設置。

ジオラマ内では、渋谷スクランブル交差点の「リアル」を再現。

東京メトロへの入り口。

JR山手線車両。

JR駅前に設置された広告。

 渋谷に馴染みのある方ならば、一目見ただけで「スクランブル交差点だ!」と分かる作品に仕上げたCityscapeさん。それらは、道路広告看板のデザイン(ガレージT氏 @GARAGE_T164)と、人のミニチュア(ミニチュア人形のYFS @yfs_figure)以外は、全て自作した”オリジナル”。

 「ビルなどの建物は紙をレーザーカット、信号機などは3Dプリントを用いて制作しています。また、建物の高さなども、Google Earthなどを用いて計測しています。おかげで、実際の形状でリサイズが行え、正確な寸法で“設計”できました」

 ところで、「渋谷スクランブル交差点」で、多くの方が連想するものといえば交差点の「密」。今回Cityscapeさんはそれを再現するため、ミニチュア人形の専門店YFSから提供された1000体のミニチュアにちょっとした「一工夫」も施しています。

協力者から提供されたミニチュアを手塗りして群衆を再現。

 「全てのミニチュア1つ1つに手塗り作業を行いました。毎日30体ずつ、1か月以上の時間をかけています」

 余談ですが、Cityscapeさんは当初、本作の制作期間を2か月ほどに見積もっていたそう。しかし実際には、1年以上の時間を割いています。また、制作当初は大学4年生だったのですが、作品が完成した2021年12月現在、大学は既に卒業しています。

 「でも本当なら、『渋谷駅』や『109』のような特徴的な建物も入れたかったんです。ただそれをするとあと数年ほど時間が必要で、そもそもスペースにも収まらないんです……(笑)」

 一方で、Cityscapeさんは「過程にもたくさんの魅力が詰まっていると思うんです」と、YouTubeチャンネル「Cityscape Studio」にて、作品の制作過程を配信しています。

 こちらも、様々な技術を駆使し、Cityscapeさんが制作している様子が知れ、見どころ満載の内容。本作「渋谷スクランブル交差点」に関しても、現在第4回まで公開されています。よろしければご覧になってみてください。

<記事化協力>
Cityscape Studioさん(Twitter:@Cityscape_Std/Instagram:@cityscape_Std)

(向山純平)