「ひょっとしたらレジ袋を木で彫った初の人類も私なのでは?」というつぶやきとともに投稿された「左腕でレジ袋を持つ木彫りの彫刻」の写真が「ユニークな作品」「超高級レジ袋」と話題になっています。

 彫刻家の村田勇気さん(@murataart)による作品で、「SINISTER」という作品名。

 作品は腕と袋の二部分から構成されており、素材には樟(クスノキ)が使用されています。ツイートには1万9千件の「いいね」が付いており、村田さんの彫刻作品に対しての注目度の高さがうかがえます。

腕が浮いているようにも見えます

 作品は「デューラー立体」と呼ばれる多面体を元に制作されており、レジ袋の部分が腕部分を支える形でつくられています。まるで空間から腕が生えているかのような、または腕だけ消し忘れた透明人間をみているような……色んな想像をかきたてられる作品です。

 村田さんに詳しくうかがうと、制作にはチェーンソーで製材して、数値制御による機械の加工方法であるNC加工機で形を取り出すといった機械工程と、ノミや彫刻刀を用いる手作業の工程があり、後者には約一か月半の期間を要したとのこと。

 ノミの痕を生かしつつ質感の表現をするところが非常に難しかったとコメントしています。ちなみに左手部分の制作には村田さん自身の左腕の3Dスキャンデータを用いているそうですよ。

 村田さんは過去にも「VRデバイスを装着した人物」や「木で絵具を表現した作品」といった伝統的な木彫文化と現代的な発想をミックスさせたユニークな作品を多数制作しています。

 村田さんは5月31日まで富山県砺波(となみ)市のギャラリー無量にて個展「CIRCUM-SCRIBE」を開催中で、今回紹介した「SINISTER」も展示されています。

 鑑賞には事前予約が必要ですので、鑑賞希望の方はギャラリーHPを確認してください。

<記事化協力>
村田勇気さん(@murataart)

(山口弘剛)